文成帝 (北魏)

文成帝（ぶんせいてい）

文成帝は、北朝時代の北魏第4代皇帝であり、太武帝の皇太子であった拓跋晃の長男として生まれました。

生涯

452年、宦官の宗愛が太武帝を殺害し、権力を掌握します。宗愛は、文成帝の叔父にあたる南安王拓跋余を擁立しますが、拓跋余もまた宗愛を疎んじ、親政を試みます。しかし、宗愛はそれを察知し、先手を打って拓跋余を殺害するという事件が起こります。この事態に対し、尚書の陸麗、羽林郎中の劉尼、殿中尚書の源賀らが立ち上がり、宗愛を討ち、皇太子の長男であった拓跋濬、すなわち文成帝を擁立しました。

即位後、文成帝は民力の回復を最優先とし、開墾や殖産を奨励しました。また、国内の求心力を高めるため、太武帝時代に弾圧されていた仏教を復興させました。沙門の曇曜に命じて雲崗石窟の造営を開始し、巨大な仏像を建立しました。中でも最大の第20窟の仏像は道武帝の姿を模したものとされ、以下、明元帝、太武帝、景穆帝（拓跋晃）、文成帝の姿を模したとされています。この「皇帝即如来」という思想は、この時代に始まったとされています。また、曇曜の進言により、僧祇戸や仏図戸が設けられました。

宗室

父：恭宗・景穆帝 拓跋晃
母：恭皇后 閭氏

后妃

文成文明皇后（馮太后）- 太武帝の左昭儀馮氏は叔母にあたる。
元恭皇后（李貴人）
慕容夫人、李夫人、曹夫人、沮渠夫人、乙夫人、悦夫人、玄夫人
嬪耿寿姫、嬪于仙姫

子女

献文帝 拓跋弘 - 母は李貴人
安楽厲王 拓跋長楽 - 母は李夫人
広川荘王 拓跋略 - 母は曹夫人
斉郡順王 拓跋簡（叔亮） - 母は沮渠夫人
河間孝王 拓跋若（叔儒） - 母は乙夫人
安豊匡王 拓跋猛（季烈） - 母は悦夫人
哀王 拓跋安平 - 母は玄夫人
女子
西河公主（薛初古抜の妻）

年号

興安：452年 - 454年
興光：454年 - 455年
太安：455年 - 459年
和平：460年 - 465年

文成帝を題材にした作品

テレビドラマ
『北魏馮太后』（2006年、中国、演：リー・グアンジエ）
『王女未央-BIOU-』（2016年、中国、演：ルオ・ジン）

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