文書12-571-3570

NASAの宇宙セックス実験に関する偽文書「文書12-571-3570」とは

「文書12-571-3570」（またはNASA No. 12-571-3570、NASA発表 14-307-1792）は、NASAが宇宙空間で性行為実験を行ったとする内容を記した偽の文書です。この文書は、1989年11月28日にUsenetのニュースグループ「alt.sex」に投稿されたものがオリジナルとされています。

文書の内容

文書12-571-3570には、NASAがスペースシャトルミッションSTS-75において、無重力状態での性交に最適な体位を調査するため、宇宙飛行士が様々な体位で性行為を行ったとされています。実験では10種類の体位が試され、そのうち6種類はベルトとインフレータブルトンネルを使用、残りの4種類は体を吊るす必要があったと結論付けられています。また、シャトルの下部デッキで行われたこれらの行為は、合計10時間分のビデオに記録され、被験者による科学者への自己紹介も含まれていたと主張されています。

偽書である根拠

この文書が偽書であることは、いくつかの点から明らかです。

実施時期の矛盾: 実際のSTS-75ミッションは1996年に実施されており、文書の発表から7年後のことです。
搭乗員の性別の矛盾: STS-75の参加者は全員男性であり、異性間の性行為が行われたとする文書の内容と矛盾します。

これらの矛盾点から、文書12-571-3570が完全に捏造されたものであることがわかります。

情報の拡散とNASAの対応

文書12-571-3570が偽書であるにも関わらず、この情報を信じる人は後を絶たず、NASAは繰り返し否定声明を出す必要に迫られました。2000年3月には、NASAのメディアサービス部長ブライアン・ウェルチがこの文書について「かなり有名な都市伝説だ」とコメントしています。

ピエール・コーラーの著書

2000年、天文学者で科学作家のピエール・コーラーが著書『The Final Mission』を発表し、宇宙空間でのセックス実験に関する情報源としてこの文書を使用したことで、再び注目を集めました。コーラーは同書の中で、「仮に南アフリカガエルや日本魚の再生研究について認めたとして、その場合でも宇宙飛行士達は軌道上セックス実験について沈黙を守るだろう」と述べています。

まとめ

文書12-571-3570は、NASAが宇宙空間で性行為実験を行ったとする偽の情報であり、多くの人が誤解している都市伝説です。NASAは繰り返し否定声明を発表していますが、依然としてこの情報を信じる人が存在します。情報の真偽を見極めることの重要性を示す事例と言えるでしょう。

関連項目

宇宙空間でのセックス

外部リンク

NASA Experiments with Sex in Space at Snopes.com
* Space sex hoax rises again

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