文章生

文章生（もんじょうしょう）についての詳細

文章生とは、古代および中世の日本の大学寮において、紀伝道を専門に学ぶ学生のことを指します。この学生は、文人（もんじん）や進士（しんし）とも称され、特定の知識や技術を習得した重要な存在でした。

設置と制度

この制度は、天平2年（730年）の3月に始まりました。設立当初、定員は20名であり、文章得業生と呼ばれる学問を専攻した学生たちとともに、特別な形で設けられました。式部大輔や少輔が宣旨を出し、文章生としての資格を求める学生や子孫に対して試験が行われました。この試験では、詩や賦といった文芸作品が課され、文章博士が成績を評価し、合格者を選出していました。

入学資格としては、白丁（はくちょう）や雑任（ざつにん）に属する者が認められました。これは、庶民にも門戸が開かれていたため、広い層からの応募がありましたが、紀伝道の地位上昇に伴い、この制度は次第に貴族的な性格を帯びるようになり、結果的に閉鎖的になりました。

資格と昇進

本来、文章生は文章得業生としての資格を得てから官職に就くことが求められていました。しかし、実際には文章生として直接対策を受ける者や、文章生となってから数年後に官職に就く者も多数存在しました。このように、文章生の役割は時代とともに変化し、柔軟性を持った形で機能していました。

歴史的背景と影響

文章生の制度は、当時の学問と社会構造に深く関与していました。紀伝道は、文学や文書作成技術を学ぶ場であり、国家の政治や文化の発展に寄与する重要な機関でした。そのため、文章生は知識人としての地位を有し、社会的な影響力を持っていたのです。

参考文献

この制度についての詳細は、多数の歴史書に記載されています。具体的には、桃裕行が執筆した『国史大辞典』や、遠藤元男編の『日本古代史事典』、和田英松による『新訂 官職要解』が参考になります。これらの文献は、紀伝道や文章生に関する貴重な情報源となります。

文章生は、古代日本の学問の場において重要な役割を果たし、その存在は後の文学や官職制度の形成に影響を与えました。

もう一度検索