斎藤友佳理

斎藤友佳理の軌跡

幼年期とバレエへの道

斎藤友佳理（さいとう ゆかり）は、1967年7月29日に神奈川県横浜市で生まれました。彼女には2歳上の兄がおり、厳しい早産を経て生まれたこともあり、幼少期はか細い身体だったといいます。斎藤は1歳4か月で初めて歩き始め、同じ頃に言葉を発するようになりました。この頃から彼女は空想の世界を好み、ディズニーの物語やおとぎ話の主人公になりきる遊びに没頭していたそうです。

母親は元バレエダンサーの木村公香で、彼女の影響で斎藤はバレエに目覚めます。母が東京バレエ団で学び、バレエ教師として活動している姿を見て、彼女もまたバレエの道を歩みたいと考えました。幼稚園で開催されたバレエ教室に参加したいと願った斎藤ですが、母は下手に始めることは許さなかったといいます。やがて1年後に許可が下り、斎藤は本格的にバレエを習い始めることになります。

バレエ教育の礎

当初は母の教室で基礎を学んでいましたが、斎藤は幼少期にサポートを受けた英才教育も影響を与えました。特に彼女が出会ったロシア人教師のアレクセイ・ワルラーモフとナーム・アザ―リンからの影響が大きく、二人のアドバイスや指導が彼女の成長を後押ししました。自らの夢を追う彼女は、この時期からプロのバレエダンサーを目指すことを固く決意します。

ロシア留学とダンサーとしての成長

1987年には東京バレエ団への入団が叶い、斎藤は徐々にバレリーナとしての実績を積んでいきました。その後、1983年には遂にロシア留学を果たし、現地での教育を受けました。この経験が彼女にとってのターニングポイントとなります。また、この時期に出会ったニコライ・フョードロフとの結婚は、新たな人生の入口でもありました。

芸術監督としての道

斎藤は2015年に東京バレエ団の芸術監督に就任し、その後もさまざまな作品に携わっていきます。2019年には新演出の『くるみ割り人形』を手掛け、団体全体への影響を与えました。彼女の作品へのアプローチは多様で、『ジゼル』や『ラ・シルフィード』などの伝統的な作品から、ジョン・ノイマイヤーやモーリス・ベジャールの現代作品まで幅広く手掛けています。特に彼女の妖精を演じる姿は高く評価され、「日本のマリー・タリオーニ」と称されました。

著書とその影響

斎藤は2002年に『ユカリューシャ 奇跡の復活を果たしたバレリーナ』を出版し、怪我からの復活や心の葛藤を語りました。この本は多くの読者に感動を与え、彼女自身の人生哲学を示す作品となりました。

日本とロシア、両国での生活を通じ、斎藤友佳理はバレエ界に多大な影響を与える存在として成長を続けています。その情熱と努力は、次世代のダンサーたちにとっての導きとなっていることでしょう。

もう一度検索