斎藤英雄 (野球)

斎藤 英雄（さいとう ひでお）は、1949年8月6日に福岡県で生まれた元プロ野球選手です。投手として、高校時代からその才能を示し、社会人野球を経てプロ野球の門を叩きましたが、残念ながら一軍での登板機会は得られませんでした。

高校時代

地元の強豪、福岡県立小倉工業高等学校に進学した斎藤選手は、同期の横山晴久投手と共にチームの二枚看板を形成しました。2年生だった1966年には、夏の全国高等学校野球選手権大会の県予選を勝ち抜き、甲子園への切符を掴みました。本大会では、まず平山英雄選手がエースを務める釧路江南高校、続く2回戦では鳴門高校を、横山選手との巧みな継投で次々と撃破しました。準々決勝では、西村公一選手らを擁する甲府工業高校と対戦。この試合では横山投手がマウンドを託され、見事に相手打線を抑え込みました。しかし、準決勝の舞台で立ちはだかったのは、松山商業高校の西本明和投手でした。斎藤選手はこの試合に先発登板しましたが、惜しくも0対1で完封負けを喫し、決勝進出はなりませんでした。このチームには、1年先輩に外野手の小形利文選手がいました。

3年生となった1967年も、チームは夏の県予選で再び決勝へと駒を進めました。決勝戦では、九州工業高校のエース桑野議投手との緊迫した投手戦となりましたが、この試合では横山投手が完封勝利を収め、2年連続で夏の甲子園出場を果たしました。全国大会では、初戦の海星高校戦に先発し、横山投手との継投で勝利に貢献しました。しかし、続く2回戦では、横山投手が大分商業高校の河原明投手と延長戦までもつれる投げ合いを演じましたが、延長10回に痛恨のサヨナラホームランを浴び、0対1で惜敗しました。高校時代、斎藤投手と横山投手は、互いを補い合いながらチームを支え、甲子園という大舞台で活躍しました。

社会人野球、そしてプロ入りへ

高校卒業後、斎藤選手は社会人野球の名門、サッポロビールに入社しました。ここでも投手として腕を磨き、1969年には都市対抗野球大会にも出場を果たしました。社会人野球での経験は、彼の野球人生において重要なステップとなりました。

サッポロビールでの活躍が認められ、1969年のプロ野球ドラフト会議において、斎藤選手は近鉄バファローズから8位指名を受けました。ドラフト上位ではありませんでしたが、長年の夢であったプロ野球選手への道を切り拓きました。

プロ野球時代

1970年に近鉄バファローズへ入団した斎藤選手は、プロの世界に足を踏み入れました。しかし、残念ながら、プロ野球の厳しい競争の中で、一軍公式戦のマウンドに立つ機会は一度も得られないまま、1972年に現役を引退しました。プロ野球選手としてのキャリアは短命に終わりましたが、その挑戦は彼の野球人生の重要な一章となりました。

斎藤選手の投球スタイルはオーバースローで、カーブとフォークボールを武器としていました。プロ入り後の背番号は、入団から引退まで一貫して「38」でした。

斎藤英雄氏は、高校野球での輝かしい実績を持ち、社会人野球を経てプロの扉を開けましたが、一軍での登板は叶いませんでした。しかし、甲子園での熱戦やプロ野球への挑戦は、彼の野球人生における貴重な経験として語り継がれるでしょう。

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