平山英雄

平山 英雄（ひらやま ひでお）氏は、1949年1月1日に北海道釧路市で生まれ、2021年5月14日に72歳でその生涯を閉じたプロ野球選手です。ポジションは投手でした。

地元の釧路江南高校ではエースとしてマウンドに立ち、チームを牽引しました。1965年には釧根支部予選を突破し、秋季北海道大会に出場しましたが、初戦で室蘭工業高校に敗れています。翌1966年には、夏の甲子園大会にチームとして出場。1回戦で強豪の小倉工業高校と対戦しました。相手投手は横山晴久氏、斎藤英雄氏という二枚看板でしたが、白熱した試合は延長にもつれ込み、延長12回の末に1対3で惜しくも敗れました。

高校卒業を控えた1966年のドラフト会議において、平山氏は阪神タイガースから2位指名を受けました。当時の担当スカウトは佐川直行氏でした。慶応大学野球部からの誘いもありましたが、平山氏はプロの世界に進むことを決断し、阪神タイガースへの入団を選びました。

プロ入り当初、平山氏は同じくドラフトで1位指名を受けた江夏豊氏よりも球団内での評価が高かったと言われています。1年目の1967年、4月13日に行われた対大洋ホエールズ戦で記念すべき一軍初登板を果たしました。さらに、4月25日の対サンケイアトムズ戦では初めて先発のマウンドに上がりました。これらの記録は、後に球史に残る大投手となる同期の江夏氏よりも早いものでした。しかし、その後は期待されたほどには伸び悩み、一軍での登板機会が減少。江夏氏とは実績面で大きな差が開いていくことになります。それでも諦めず、1970年10月24日の対大洋戦で久々に先発投手として起用されると、7回1/3を無失点と好投し、待望のプロ初勝利を挙げました。ただし、この年の平山氏の一軍登板はこの試合のみでした。

プロ入り6年目にあたる1972年、平山氏はキャリアにおいて最も充実したシーズンを送ります。7月2日、対中日ドラゴンズ戦でこの年初めて先発し、勝利投手となりました。この勝利をきっかけに投球内容が安定し、波に乗ると、同年7月18日から20日にかけて行われた対広島東洋カープ3連戦では、同一カードで3試合連続勝利投手という珍しい記録を樹立しました。さらに、9月21日の対読売ジャイアンツ戦では、当時7試合連続本塁打中だった王貞治氏の記録を阻止する快投を見せました。この1972年は年間を通して34試合に登板し、自己最多となる7勝をマークしました。

しかし、翌1973年からは再び一軍から遠ざかることになります。1974年オフには、チームメイトだった鈴木皖武氏、小川精一氏、上辻修氏、森山正義氏とともに、池辺巌氏、井上圭一氏との交換トレードでロッテオリオンズへ移籍しました。ロッテでは残念ながら公式戦での登板機会を得られず、翌1975年限りで現役を引退しました。

プロ野球選手引退後は、兵庫県神戸市に移り住み、損害保険会社に勤務しました。

得意球は、スライダー、カーブ、シュートといった変化球でした。

また、映画監督として知られる相米慎二氏は、釧路江南高校時代の1年先輩にあたります。

平山氏は2021年5月14日、胃がんのため、72歳で逝去されました。

プロ野球での背番号は、入団当初の73から始まり、31（1967年途中）、16（1968年-1969年）、30（1970年-1974年）、ロッテ移籍後の37（1975年）と変遷しました。

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