斜里川

斜里川（しゃりがわ）

斜里川は、北海道斜里郡清里町および斜里町を流れ、オホーツク海に注ぐ二級河川であり、斜里川水系の本流を担っています。この川は、比較的安定した水量と水温を保っているため、サケやマスなどの魚類にとって理想的な生息環境を提供しており、特にサケの遡上量が多いことで知られています。

かつては、幻の魚と呼ばれるイトウも生息が確認されていましたが、近年、環境の変化によりその数は大幅に減少しています。この状況は、生態系の保全という観点から、憂慮すべき事態と言えるでしょう。

流路

斜里川は、オホーツク総合振興局管内の東部に位置する斜里岳の南山麓に源を発し、最初は南西方向に流れます。その後、流れを時計回りに北東へと転じ、斜里郡斜里町の市街地の東側を流れ、斜里漁港の近くでオホーツク海へと注ぎます。

名称の由来

「斜里」という地名は、もともと川口一帯を指すアイヌ語の「サㇽ」に由来します。斜里川自体のアイヌ語名については、松浦武四郎の『廻浦日記』に「シヤリ。（中略）本名シベシと云也」と記述されています。このことから、山田秀三は「ただシャㇽ（シャリ）と呼ばれ、時にシ・ペッ（大・川）と呼ばれたのであろうか」と推察しました。また、永田方正らは、アイヌ語の「サルンペッ（sar-un-pet）」（葦原・にある・川）に由来するという説を唱えています。

流域の自治体

斜里川の流域には、以下の自治体が含まれます。

北海道
オホーツク総合振興局
斜里郡
斜里町
清里町

支流

斜里川には、以下の支流が流れ込んでいます。

四の沢川
三の沢川
二の沢川
ホロカサル川
ユクリイオロマナイ川
タテクンナイ川
アタックチャ川
札弦川
オサウシ川
ペーメン川
エトンビ川
猿間川

さくらの滝

斜里川の河口から約25km上流に位置する「さくらの滝」は、高さ3.7mの滝です。6月上旬から8月上旬にかけて、産卵のために遡上するサクラマスが滝を飛び越える様子を観察することができます。この光景は、多くの人々を魅了し、観光名所となっています。

関連情報

斜里岳 - 斜里川の源頭
標津岳 - アタックチャ川（支流）の源頭
緑ダム - アタックチャ川（支流）のダム
江鳶山 - エトンビ川（支流）の源頭
ホクレン製糖工場
知床斜里駅 - 河口付近にあるJR釧網本線の駅
斜里漁港

主な橋梁

斜里川には、以下の橋梁が架かっています。

川上橋
新拓橋 - 国道334号
斜里新大橋 - 国道244号
斜里川橋梁 - JR釧網本線
斜里橋 - 北海道道769号斜里停車場美咲線

参考文献

北海道建設部土木局河川課
* オホーツク総合振興局 網走建設管理部

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