新・春香伝

新・春香伝

『新・春香伝』（しん・しゅんかでん）は、人気漫画家集団CLAMPによって創作されたファンタジー漫画です。この記事では、作品の基本的な情報や登場人物の解説、ストーリーの概略などについて紹介します。

概要

この漫画は、1992年から1994年にかけて「セリエミステリーSPECIAL」（白泉社）の各号にて連載され、全3話で構成されています。また、1994年にはドラマCDもリリースされており、して脚本もCLAMPが手掛けています。原作として引き合いに出されるのは、李氏朝鮮時代に制作された名作小説『春香伝（チュニャンヂョン）』ですが、CLAMPの独自の視点で再構築された新しい物語として展開されています。

あらすじ

物語の舞台は、高麗（コリョ）国に存在する町「蓮姫（リョンフイ）」です。この町では、貴族階級の両班が住民に対して過剰な税を課し、苦境に立たせていました。彼の息子もまた、権力を背景に住民に対して横暴な態度を取っており、町の人々はその悪行に悩まされています。主人公の春香は正義感が強い14歳の少女で、父親の死後、母を守るために武術を身につけました。日々、悪人を懲らしめることに心血を注いでいます。

ある日、彼女の家に旅人の夢龍が訪ねてきます。夢龍は単なる旅人として明華に会いに来たのですが、両班の不正にも強い関心を抱いている様子。春香は夢龍との出会いを通じて、彼に対して何ができるのかを考えます。

登場人物

春香（チュニャン）

主人公であり、ポニーテールが特徴的な少女。正義感にあふれ、武術を駆使して悪人を撃退します。家族を守るため、自らの技術を磨いてきました。特に耳飾りを武器に変える術を持っており、個性的な能力が際立っています。

明華（ミョンファ）

春香の母。高麗屈指の秘術師で、薬の調合や呪いを手掛ける美しい女性です。その知識と技術は非常に高く、春香にとっての良き母であり、師でもあります。

夢龍（ムロン）

旅人を名乗る男で、美食家。明華の元を訪れつつ、両班の悪事にも興味を持っています。コミカルな一面を持つキャラクターで、春香との関係性が物語を進めるポイントの一つです。

両班（リャンバン）

高麗の中央政府から派遣された支配者で、町の人々にとっての最大の敵です。明華にアプローチをしてきますが、春香によってしばしば追い返されてしまいます。

両班の息子

父親の権力にあぐらをかき、町中で横暴に振舞っている青年です。春香とは何度も衝突し、物語を通じて強い対立を示します。

香丹（ヒャンタン）

両班の息子に絡まれていた女性で、春香に助けられた経緯があります。

夜語（ヤゴ）

水月で出会った老女で、名高い秘術師。鴉を使った術で声を届ける技術を持っています。

作品の末尾

最後に、作品には関連する作品も存在します。特に注目すべきは『新暗行御史』や、CLAMPによる『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』です。これらは『新・春香伝』と登場人物やテーマにおいてつながりがあります。

『新・春香伝』は古典を基にした新たな叙事詩であり、正義感にあふれる少女の成長と冒険を描いた魅力的な物語として、多くのファンに親しまれています。

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