新・番頭はんと丁稚どん (1972年のテレビドラマ)

新・番頭はんと丁稚どん

『新・番頭はんと丁稚どん』は、1972年4月5日から同年12月27日まで、毎日放送制作によるコメディドラマで、NET（現在のテレビ朝日）系列にて放送されました。放送は毎週水曜日の19:30から20:00（JST）に行われ、全39回のエピソードが制作されました。この作品は、1959年から1961年にかけて放送され、当時大ヒットを記録した上方コメディ『番頭はんと丁稚どん』を現代風にアレンジしたもので、旧作のファンにとっても新たな楽しみを提供したものとなっています。

概要

新作は、旧作が舞台とした薬問屋「毎宝堂」に対し、京都の名門呉服問屋「京花」に設定を変更しています。この新しい舞台設定に合わせて、出演者も一新されました。大村崑は、旧作における丁稚・崑松の役を後に新番頭役として演じ、丁稚役は当時人気上昇中だったレツゴー三匹が担当しました。このように、旧作の人気キャストが新しい役割で再登場したことにより、視聴者には懐かしさと新しさが融合した、ユーモアあふれる作品に仕上がっています。特に大村崑は演出にも関わり、作品全体のクオリティ向上に寄与しました。

出演者

新作にはさまざまな俳優が参加しており、主要なキャストには大村崑、レツゴー三匹の他に、安倍律子、佐々十郎、扇千景などが名を連ねています。彼らの演技は、物語をより一層魅力的にし、視聴者を笑わせ楽しませる役割を果たしました。

敏江・玲児の舌禍事件

しかし、この番組には少し波乱もありました。当初キャストに名を連ねていた敏江・玲児の両名が、番組スタート直後に降板するという事件が発生しました。この事態は、彼らが出演するための宣伝の一環として、自らの顔写真が新聞広告に掲載されなかったことから始まりました。玲児が所属事務所である松竹芸能に対して不満を訴え、周囲の人々がその話を広めた結果、最終的には玲児が作者の一人である花登筐に暴力を振るったという噂にまで発展してしまいました。この騒動は、松竹芸能社長・勝忠男の厳しい姿勢により、事態はさらに悪化し、夫婦漫才コンビは「天狗になってしまった」と見なされて解雇されることになりました。この経緯は、一時の人気からの急落を物語るものとなりました。

スタッフ

『新・番頭はんと丁稚どん』の制作スタッフには、原作・脚本を手がけた花登筺をはじめ、演出を担当した大村崑と岡崎たかしが名を連ねています。制作は毎日放送と松竹芸能の協力によって行われ、この業界での連携の重要性を示しています。

まとめ

新・番頭はんと丁稚どんは、旧作の魅力を受け継ぎつつ、新しい視聴者へのアプローチを試みた作品として、多くの人々に愛されました。番組の裏側では様々な事件があったものの、その内容はもっぱら笑いを提供するものであり、即戦力となったキャストやスタッフの努力がうかがえます。

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