新中間層

新中間層とは

新中間層とは、賃金労働者の中でも、現業ではなく、事務、サービス、販売などの業務に従事する人々を指します。一般的には、サラリーマンやホワイトカラーと呼ばれる層と重なります。

歴史的背景

19世紀のマルクスは、資本主義の発達は貧富の差を拡大させ、階級分化を促進すると予言しました。しかし、19世紀末のエドゥアルト・ベルンシュタインは修正主義理論を提唱し、資本主義の発達に伴い中産階級が台頭すると主張しました。現実には、社会主義政権が誕生した地域は、植民地や従属国であり、先進国での革命は起きていないため、ベルンシュタインの予言がより現実を捉えていたと言えるかもしれません。マルクスは、資本主義の自己修正能力を見落としていた可能性があります。植民地や従属国での革命は、小作人と地主、外国資本との対立が背景にありました。

日本における新中間層

日本においては、大正時代に新中間層が成立しました。1930年代にはその規模は大きくなりましたが、第二次世界大戦によって壊滅的な打撃を受けました。新中間層が再び確立したのは、高度経済成長期の1960年代を待つ必要がありました。

社会学的な視点では、新中間層に対応する階層として、自作農や商店主などの旧中間層が存在します。2000年代初頭の日本では、都市部の新中間層が民主党を支持し、農村部の旧中間層が自由民主党を支持するという傾向が見られました。しかし、旧中間層が生産手段を私有しているのに対し、新中間層は資本に雇用されているという点に注目する必要があります。

政治的動向の変化

2005年頃からは、都市部の新中間層が新自由主義や新保守主義を掲げる自民党を支持するようになり、旧来の自民党の体質と旧社会党の要素が混ざり合った民主党を農村部の旧中間層が支持するという現象（逆1区現象）が見られるようになりました。このように、新中間層の政治的動向は、時代や社会状況によって変化しています。

新中間層の定義と特徴

新中間層は、生産手段を所有せず、資本に雇用される賃金労働者である点が特徴です。旧中間層との違いを理解することで、現代社会における階層構造をより深く理解することができます。

新中間層は、高度経済成長以降、日本の経済発展を支える重要な役割を担ってきました。しかし、近年では、経済格差の拡大や労働環境の変化など、さまざまな課題に直面しています。そのため、新中間層の動向は、今後の日本社会を考える上で、重要な要素の一つと言えるでしょう。

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