新丸の内ビルディング

新丸の内ビルディング、通称「新丸ビル」は、東京都千代田区丸の内一丁目にそびえ立つ高層ビルです。三菱地所が所有・運営し、地下1階から7階は商業施設、10階から37階はオフィスとして利用されています。2007年4月27日に商業施設フロアがオープンし、東京駅前の新たなランドマークとして注目を集めています。

歴史と概要

新丸ビルは、1952年に竣工した旧「新丸ノ内ビルヂング」を建て替えて建設されました。三菱地所は、先行して竣工した丸の内ビルディング（丸ビル）と向かい合う形で、この新丸ビルを建設し、丸の内エリアの再開発を推進しました。設計は、三菱地所設計を中心に、コンセプトデザインは英国のマイケル・ホブキンズ、商業施設のデザインはA.N.Dの小坂竜が担当しました。東京駅や皇居といった周辺環境との調和を重視し、国際ビジネスセンターにふさわしい最新設備を備えたデザインを目指しました。施工は竹中工務店が担当し、総事業費は約900億円に達しました。旧ビルの解体時には、コンクリートや松杭などの廃材をリサイクルする試みが行われ、環境への配慮もなされました。

新丸ビルの建設では、丸ビルとの回遊性を高めるため、行幸通りの地下に歩行者専用道路、東京駅側には地下広場を整備しました。また、都市計画の特定街区制度や特例容積率適用区域制度を活用し、東京駅丸の内赤レンガ駅舎からの一部容積率を移転することで、容積率1760%の上積みが認められました。

2010年4月からは、青森県六ヶ所村の二又風力発電所などで発電された「生グリーン電力」が、出光興産によって供給されています。さらに、翌年の10月3日には、ビルの前に「EV・HV専用タクシー乗り場」が設置され、環境に配慮した取り組みも積極的に行われています。

オフィスフロア

10階から37階のオフィスフロアは、有効面積が約3000㎡と広大です。事務室はコアを中心にコの字型に配置され、大空間を確保するとともに、レイアウト変更に対応しやすいよう、奥行きを均一にしています。また、ディーリングルームやプレゼンテーションルームなど、多様なニーズに対応できる特殊フロアも用意されています。

9階にはオフィスサポートゾーンが設けられ、10階には日本創生ビレッジ（EGG JAPAN）が開設されています。ここでは、有望なベンチャー企業に対して、割安なオフィスを提供し、ビジネスの成長を支援しています。

入居企業

新丸ビルには、三菱HCキャピタル、SMBC日興証券、AGC、カーライル・グループ、日本駐車場開発、日本信号、シンプレクス・アセット・マネジメントなど、様々な業界の企業が入居しています。これらの企業は、新丸ビルの利便性の高い立地や充実したオフィス環境を評価しています。

商業施設

地下1階から7階は商業ゾーンとなっており、物販113店舗、飲食40店舗、合計153店舗が出店しています。オープン初日には13万人が訪れ、その賑わいは大きな話題となりました。2022年秋から2023年春にかけて、新店舗の開業や7階の飲食店フロア「丸の内ハウス」の全面改修が行われ、商業ゾーンの魅力はさらに向上しています。また、共用部分でも大規模な改修が行われ、より快適な空間へと進化しています。

• - 地下1階: スーパーマーケット、フードブティック、専門店が集まるショッピングゾーン
• - 1階: 大型セレクトショップと専門店が並ぶ「パサージュ」
• - 2階: さまざまな専門店が集まる「パサージュ」
• - 3階: ファッションとコスメティックのゾーン「マルノウチボーテ」
• - 4階: 心地よい暮らしを提案する店舗とメンズファッション
• - 5階: 東京を中心に全国の名店が集まるレストランゾーン
• - 6階: 世界のカジュアルな人気レストラン
• - 7階: 街のゲストハウスのような空間を提供する「丸の内ハウス」

新丸ビルは、オフィスと商業施設の複合施設として、多様なニーズに応えるとともに、東京駅前という絶好のロケーションで、ビジネスとショッピングの中心地としての役割を担っています。

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