新利府駅

新利府駅（しんりふえき）

新利府駅は、宮城県宮城郡利府町に位置する東日本旅客鉄道（JR東日本）東北本線（利府線）の駅です。東北本線から分岐する短い支線である利府線上にあり、当駅の最大の特徴は、JR東日本の主要な車両基地の一つである新幹線総合車両センターに隣接して設置されている点です。

歴史

この駅が設けられた背景には、東北新幹線の開通に伴い業務を開始した新幹線総合車両センターで働く人々の利便性を図るという目的がありました。開業は新幹線開業の年である1982年で、当初から車両センターへのアクセス駅としての役割を担っています。

駅の歩みは以下の通りです。

1982年（昭和57年）4月1日：営業を開始しました。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道（JR東日本）の駅となりました。
2003年（平成15年）10月26日：ICカード「Suica」の利用が可能となりました。
2024年（令和6年）10月1日：「えきねっとQチケ」サービスが開始されました。

駅構造

新利府駅は地上に設置されており、単式ホームが1面と線路が1線というシンプルな構造を持っています。駅員は常駐しない無人駅で、仙台駅が管理しています。ホームの南端には、ICカードであるSuicaを利用するための簡易改札機と、乗車した駅を証明する紙を発行する機械が設置されています。

特に注目すべきは駅の出入口で、大小二箇所が設けられています。ホーム中央付近にある大きな出入口は、新幹線総合車両センターの職員など関係者のみが利用できる専用口となっており、開門時間も朝晩に限られます。通常、一般の利用者はここから駅に出入りすることはできません（ただし、後述する新幹線車両基地まつり開催時などの例外があります）。一方、ホーム南端にある小さな出入口は、時間帯を問わず常に開いており、一般の利用者は主にこちらを利用します。簡易改札機などの設備もこの小さな出入口付近に設置されています。

なお、毎年夏に開かれる「新幹線車両基地まつり」というイベントの際には、普段は無人駅である新利府駅にもJR東日本の社員が応援として派遣されます。この特別な日には、岩切管理駅や宮城サポートセンター、東北本部などから来た社員によって、利用客の誘導、近距離乗車券の販売、改札業務などが行われ、多くの来場者に対応しています。

駅周辺

駅の周囲には以下のような施設や道路があります。

新幹線総合車両センター：当駅設置の直接的な契機となったJR東日本の車両基地です。
イオンモール新利府：近年開業した大規模な商業施設です。
加瀬沼公園（杜の都信用金庫「モリリン加瀬沼公園」）：自然豊かな公園で、散策などが楽しめます。
三陸自動車道・仙台北部道路 利府ジャンクション：高速道路の主要な結節点です。
宮城県道8号仙台松島線
宮城県道259号加瀬沼公園線

周辺は、車両基地の広大な敷地に加え、近年開発された商業エリアや自然環境、そして高速道路へのアクセスなど、多様な要素が混在する地域となっています。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）

■東北本線（利府線）

岩切駅 - 新利府駅 - 利府駅

新利府駅は、岩切駅から利府駅へ向かう利府線の途中に位置し、この区間は単線となっています。利府線は基本的に岩切駅と利府駅を結ぶ盲腸線であり、新利府駅はその中間駅として機能しています。

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