新吉富村

新吉富村：中津市との深いつながりと消滅

概要

福岡県東部、築上郡に位置していた新吉富村は、2005年10月11日、隣接する大平村との合併により上毛町となり、その歴史に幕を閉じました。地理的、経済的、文化的にも大分県中津市との結びつきが非常に強く、福岡県側の豊前市よりも中津市との関係性が深いことが特徴でした。

地理と交通

新吉富村は福岡県東端部に位置し、山国川を挟んで大分県中津市と隣接していました。市外局番や郵便番号も中津市と同じであり、生活圏や経済圏も中津市に属していました。高校受験においても、村内にあった築上東高校（2005年閉校）の募集停止後、中津市内の高校へ進学する生徒が増加しました。江戸時代には村の大部分が中津藩領であったという歴史的背景も、両市町村の強い結びつきを裏付けています。交通面では、鉄道は通っておらず、最寄りの駅は吉富駅または中津駅でした。バス路線は廃止され、中津市との間は乗合タクシーが運行されていました。高速道路も通っておらず、最寄りのインターチェンジは小倉東インターチェンジでした。国道10号や主要地方道などが村内を通っていました。道の駅しんよしとみも村内にありました。


歴史

新吉富村は、1889年（明治22年）の町村制施行により、上毛郡西吉富村と南吉富村として誕生しました。1896年（明治29年）には上毛郡が築城郡と合併して築上郡となりました。その後、1955年（昭和30年）に西吉富村と南吉富村が合併して新吉富村となりました。そして、2005年（平成17年）10月11日、大平村との合併により上毛町となり、新吉富村は消滅しました。

行政と教育

新吉富村の行政は村長が村政を執り行い、鶴田忠良氏が最後の村長を務めました。村役場支所として新吉富村コミュニティセンター（西吉富出張所）が設置されていました。教育機関としては、新吉富村立南吉富小学校と新吉富村立西吉富小学校がありましたが、中学校は村内に無く、隣接する大平村の築上東中学校に通学していました。

合併と将来展望

福岡県は当初、新吉富村に対し豊前市との合併を提案しましたが、中津市との深い繋がりからこの提案は拒否され、結果として大平村との合併に至りました。しかし、将来的には中津市との越境合併も視野に入れているとされ、その強い結びつきは今もなお続いています。北九州都市圏にも属しており、北九州市との関係も密接でした。


まとめ

新吉富村は、地理的にも歴史的にも大分県中津市と深く結びついた村でした。独自の文化や歴史を有しながらも、時代の流れの中で上毛町へと合併し、その歴史に幕を閉じました。しかし、中津市との強いつながりは、上毛町として新たな歴史を歩む上での重要な要素となっています。 北九州市との関係も考慮すると、新吉富村は複数の地域的要素が複雑に絡み合った、ユニークな存在であったと言えるでしょう。

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