新太田町駅

新太田町駅（しんおおたまちえき）は、かつて神奈川県横浜市神奈川区に存在した東京急行電鉄東横線の駅です。現在の東白楽駅と反町駅の間に位置し、1926年（大正15年）に東横線の開通と同時に開設されました。

しかし、1945年（昭和20年）5月29日の横浜大空襲で甚大な被害を受け、同年6月1日から休止となります。その後、復旧することなく、翌1946年（昭和21年）5月31日に正式に廃止されました。

この駅の特筆すべき点は、廃止後も1949年（昭和24年）に一時的に復活したことです。これは、近隣の現在の反町公園で日本貿易博覧会が開催されたことに伴い、臨時駅「博覧会場前駅」として利用されたためです。博覧会終了後、この臨時駅も廃止されました。

新太田町駅は、相対式ホーム2面2線の高架駅でした。駅舎は上り線側に設けられていました。

長らく高架橋に遺構が残されていましたが、2004年（平成16年）の東横線地下化工事に伴い、高架橋は撤去され、駅の痕跡は消滅しました。現在、駅があった場所は東横フラワー緑道の一部として整備され、かつて高架下に設置されていたのりば案内表示を模した記念碑が建てられており、その歴史を今に伝えています。

歴史

1926年（大正15年）2月14日：東横線開業と同時に新太田町駅が開設。
1945年（昭和20年）6月1日：横浜大空襲による被災のため、営業休止。
1946年（昭和21年）5月31日：正式に廃止。
1949年（昭和24年）3月15日：日本貿易博覧会開催に伴い、臨時駅「博覧会場前駅」として一時的に復活。
1949年（昭和24年）6月15日：博覧会終了により「博覧会場前駅」が廃止。

隣の駅

東京急行電鉄

東横線

東白楽駅 - 新太田町駅 - 反町駅


新太田町駅は、横浜の歴史を語る上で重要な駅の一つであり、その存在は、横浜の発展と戦争の爪痕を物語る証拠と言えるでしょう。参考文献として、以下の書籍が挙げられます。

宮脇俊三編著『鉄道廃線跡を歩くIII』、JTB、1997年、169頁
宮田道一『東急の駅 今昔・昭和の面影』JTBパブリッシング、2008年9月1日。ISBN 9784533071669。

また、関連する項目として、以下のものがあります。

日本の鉄道駅一覧
廃駅
平沼駅 (京浜電気鉄道) - 当駅と同様に横浜大空襲で被災した駅

新太田町駅は、その短い歴史の中で、横浜市民の生活に深く関わり、戦争という悲劇を経験した駅として、記憶されるべき存在と言えるでしょう。

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