新宮古墳 (丹波篠山市)

新宮古墳について

新宮古墳（しんぐうこふん）は、兵庫県丹波篠山市郡家にある円墳で、地域の古墳群の一部として知られています。この古墳は、市の指定史跡であり、その歴史的意義が注目されています。

概要

新宮古墳は、兵庫県中東部の篠山盆地の北側の山麓に位置しています。周囲には数多くの小古墳が点在しており、これらは郡家古墳群と呼ばれるまとまりを形成しています。特に新宮古墳は、その大型サイズにおいて群を抜いており、古墳時代中期の5世紀後半に築造されたとされます。

古墳の直径は52.5メートル、墳頂部の直径は17.5メートル、高さは7メートルであり、丹波篠山市および丹波地方においても最大規模の円墳です。また、墳丘は二段に築成されており、その外観は非常に印象的です。墳丘の周囲には濠が設けられ、円筒埴輪も出土していることから、周囲の信仰や文化を意味する重要な証拠となっています。

新宮神社はかつてこの古墳の頂上に設けられていました。この神社の由来は応永年間（1394-1428年）にさかのぼりますが、江戸時代には神社の旧社殿跡から宝物が発掘された記録が残っています。その際には甲冑や大刀といった副葬品も見つかっていますが、現在その所在は不明です。加えて、古墳周辺にある小古墳は、新宮古墳の陪塚とされることもあります。

歴史的意義

新宮古墳は、古墳時代の政治的・社会的な動向を知る上で非常に重要な遺跡と見なされています。周辺の小古墳を含め、当時の指導者や盟主の存在を示すものであり、地域の歴史や文化の発展において中心的な役割を果たしていました。この古墳の位置づけは、後の多紀郡衙の形成へと繋がっていく重要な歴史的背景を持っています。

1958年には、旧篠山町によりこの古墳が指定史跡に指定され、その後1968年から1969年にかけては測量調査が行われ、さらに多くの学術的関心が集まりました。

文化財としての位置づけ

新宮古墳は、遺跡においても文化的な価値が高く、丹波篠山市の指定文化財にも選ばれています。人々はこの古墳を通じて、先人たちの暮らしや信仰に思いを馳せることができ、地域の歴史を学ぶ重要な拠点ともなっています。

参考文献

• - 新宮古墳 (PDF)（丹波篠山市）
• - 池田正男「新宮古墳」『日本古墳大辞典』東京堂出版、1989年
• - 「新宮古墳」『兵庫県の地名I』平凡社、1999年

このように、新宮古墳はその規模や歴史的意義からも、学術的な研究の対象として高く評価されている遺産です。

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