新家工業

新家工業株式会社

新家工業株式会社（ARAYA INDUSTRIAL CO.,LTD.）は、石川県加賀市で創業し、主に自転車のリムや鋼管を製造している企業です。今では、みどり会に参加し、三和グループに属する企業へと成長を遂げています。自社製品の向上に努める一方、自転車関連のブランドも展開し、幅広い製品群を持つ企業として知られています。

企業の起源と歴史

新家工業は1903年に新家熊吉によって設立され、当初は自転車用の木製リムの製造から始まりました。1919年には新家自転車製造株式会社を設立し、事業を順調に拡大。1937年には社名を新家工業株式会社に変更し、鋼管部門への進出も果たしています。1949年には大阪証券取引所に上場し、次第にその経営基盤を固めていきました。

事業内容

新家工業は鋼管部門では、特にロールフォーミング技術を駆使し、家具や建材、自動車向けの軽量かつ強度の高い鋼管を製造しています。販売に関しては、アラヤ特殊金属株式会社を通じて鋼管を商業用に提供しています。自転車事業においては、かつては「ツバメ自転車」のブランドで知られ、多くの支持を集めました。

また、社内では福祉機器の開発も行われており、特に「アブソレックス」と呼ばれる車椅子用サスペンション車輪を製造しています。この製品は、医療や流通業界向けの用途でも重宝されており、サスペンションキャスターとしても市場に展開されています。

自転車部門の復活

1982年には日本で初めてマウンテンバイクを世に送り出し、1990年代にはマグネシウム一体成形フレーム「クリテリウム・マグネシウム」を発表し、高い評価を得ました。しかし、マウンテンバイクの人気が低下するのに伴い、一時期製造から撤退することとなりました。しかし、後にOEM供給を通じて再び自転車販売に戻り、MTBブランド「マディフォックス」も復活させました。

グローバルな展開

新家工業は国内の工場にも強みを持ち、その規模は名古屋、千葉、関西、そして本社の大阪と広がっています。特に、競輪用のNJS認定リムを製造する唯一の企業として、国内外での競技自転車パーツの供給において重要な役割を果たしています。

企業の未来

近年では、国際展開も視野に入れた動きが見られ、2012年にはインドネシアに合弁会社を設立し、鋼管関連の事業を強化しています。また、環境面でもISO認証を取得し、持続可能な製造プロセスの実現に向けた取り組みをしています。これからも新家工業株式会社は、伝統を重んじながら新たな技術と市場へ挑戦し続ける企業であり続けます。

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