新宿ジョイシネマ

新宿ジョイシネマの歴史

新宿ジョイシネマは、東京都新宿区の歌舞伎町に位置した映画館であり、その歴史は1947年に遡ります。開館当初は「新宿地球座」として知られ、映画の上映と共に地域の映画文化の発展に寄与してきました。この劇場は、地理的には新宿座に改称され、その後に「新宿ジョイシネマ」と名称が変わりますが、そのルーツは新宿地球座にあります。

創設の背景

1947年12月、林以文が歌舞伎町753番地に新宿地球座を設立しました。この時期、日本は第二次世界大戦からの復興に向けて動き出しており、この劇場はその象徴的な存在となりました。歌舞伎町での映画館の開館が進められる中、地球座はここでの進出第一号として、周囲の開発が進むのを待ちながら映画上映を行い、徐々に人気を博しました。

続いて1948年には、林は惠通企業株式会社を設立し、地球座での外国映画上映を開始します。また、1950年代には新宿名画座や新宿劇場など他の映画館も開館し、この地区の映画文化をさらに豊かにしていきました。

名称変更と進化

1984年、新宿座は新宿ジョイシネマに改称され、同年には新宿地球座も歌舞伎町松竹に名称変更しました。この名称変更は、映画館のブランド力を高めるための戦略であり、地域における映画館の一体感を生むことを目指していました。また、1995年には、これらの映画館の名称が統一され、新宿ジョイシネマ1・2・3・4・5として運営されるようになりました。

この時期には、様々な映画が上映され、客層は多様化していきました。ジョイシネマ1では洋画、ジョイシネマ2ではミニシアター系の映画が上映されるなど、個々の映画館が特定の映画ジャンルやスタイルを打ち出すことに成功しました。

閉館の経緯

2009年5月31日、新宿ジョイシネマ1・2・3はすべて閉館しました。この閉館は、時代の流れや映画制作環境の変化、テクノロジーの進化により、映画館の存在意義が変わってきたことを反映しています。最後の上映作品は『ラスト サムライ』などで、映画館としての役割を果たしたこの場所には、多くのファンが惜しむ声を寄せていました。

跡地は2011年にヒューマックスパビリオン新宿アネックスとして大規模な改修工事が行われ、その一部が新しい娯楽施設や商業施設に生まれ変わっています。また、ジョイシネマ5は、元々新宿名画座があった場所であり、今では別のエンターテインメント施設「東京ミステリーサーカス」に変わっています。

まとめ

新宿ジョイシネマの歴史は、東京の映画文化の変遷を象徴しており、地域の映画興行の中心として多くの人々に親しまれてきました。その運営の過程において、数多くの映画が上映され、映画館としての独自の文化を築きました。今では閉館したこの劇場ですが、その存在は映画ファンにとって特別な思い出として刻まれています。

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