新宿マインズタワー

新宿マインズタワー



新宿マインズタワーは、東京都渋谷区代々木二丁目にそびえる、地上34階建ての超高層オフィスビルです。「マインズ」という名称は「MAYNDS」と表記されます。

建設の背景と概要



このビルが建てられたのは、かつての旧国鉄中央鉄道病院（現在のJR東京総合病院）の職員寮があった場所です。建設の大きな目的の一つは、旧国鉄が抱えていた多額の債務を返済することでした。日本国有鉄道清算事業団（現在の鉄道建設・運輸施設整備支援機構）が、保有する土地を不動産変換ローン方式で処分する事業の最初の事例として、事業団の子会社であったレールシティ東開発が開発主体となり計画が進められました。1992年5月に工事が始まり、1995年9月に完成しました。マインズタワーは、レールシティ東開発にとって初めて手掛けるテナントオフィスビルであり、また新宿駅の南口エリアにおいて初めて誕生した超高層ビルとしても特筆されます。

マインズタワーの完成後、新宿貨物駅の跡地でも同様の不動産変換ローン方式が採用され、レールシティ東開発によってタカシマヤタイムズスクエアやNTTドコモ代々木ビルといった後続の大規模建築物が建設・竣工されています。

建築と設計思想



様々な用途の建物が混在する既存の市街地において、延床面積が10万m²を超える巨大な建築物を実現するため、総合設計制度が活用されました。これにより、建築基準法で定められている容積率や斜線制限の緩和が認められ、建物の形態や配置に関する高い自由度が得られました。

特に、敷地の西側には低層の住宅や学校、病院などが密集しており、道路の幅も狭い地域であったため、これらの建物からできるだけ距離をとるような配置が工夫されました。また、L字型に変形した敷地の一辺には、地域住民が気軽に利用できる街のポケットパークのようなオープンスペースが設けられています。さらに、敷地内を東西に結ぶ2本の通路を含め、敷地全体の約7割が一般に開かれた公開空地とされました。これは、巨大な建築物として当然求められる公共性を確保するための重要な取り組みでした。

建設当時、賃貸オフィスビル市場は激しいテナント獲得競争にさらされていました。そのような状況で競争力を高めるため、ビルのコンセプトとして「自然光のあふれる明るいオフィス」が掲げられました。ビルの中心には、南面に大きな開口部を持つ高さ105メートルの吹き抜け空間であるアトリウムが設けられています。このアトリウムを通じて、執務空間や共用部に豊かな自然光が取り入れられるように設計されました。これにより、明るく快適なオフィス環境が実現しただけでなく、災害時においても心理的な安心感をもたらし、防災安全性の向上にも寄与しました。また、自然光を効果的に取り込む設計は、オフィス内のレイアウトに対する自由度を高めるという効果もありました。

ビルの1階と地下1階には、様々な飲食店や店舗がテナントとして入居しています。また、都営地下鉄大江戸線が開通した際に、大江戸線専用のA1出口とビルが直接結ばれました（ただし、この連絡通路は大江戸線、都営新宿線、京王線の利用に限られ、それ以外の路線の改札へは直接アクセスできません）。JR代々木駅へも南方向に徒歩5分ほどで到達可能な立地です。

所有者の変遷



新宿マインズタワーは、竣工当初、開発主体であるレールシティ東開発に出資していた日本生命保険、第一生命保険、住友生命保険の3社が区分所有していました。しかし、2005年にはダヴィンチ・ホールディングスが組成したファンドが、それらの持分の大部分を取得し、有限会社新宿マインズタワーを設立しました。この頃、一部のテナントに対して賃料の値上げを求める訴訟が提起される事態も発生しています（これは対岸に位置するタカシマヤタイムズスクエアでも同様に起きました）。

その後、2007年にはダヴィンチグループが運用するJ-REITであるDAオフィス投資法人（後に大和証券オフィス投資法人に名称変更）がこのビルを取得しました。さらに、2017年12月には、シンガポール政府投資公社（GIC）が、ビル全体の持分の約43%を大和証券オフィス投資法人から約625億円で取得しました。この取引を経て、現在は大和証券オフィス投資法人とGICが共同でビルの管理・運営を行う体制となっています。

主なテナント企業・店舗



ビルには、様々な業種の企業や店舗が入居しています。

主なテナント企業




主な店舗等




アクセス



公共交通機関でのアクセスに優れています。


また、地下には三井のリパークによる機械式駐車場も完備されています。

近隣施設



周囲には以下のような施設があります。

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