新宿三井ビルディング

新宿三井ビルディング

新宿三井ビルディングは、東京都新宿区西新宿、新宿新都心の一角に位置する超高層ビルです。通称として「新宿三井ビル」や「三井ビル」とも呼ばれています。

概要

1960年に東京都が発表した「新宿副都心建設計画」に基づき、淀橋浄水場跡地は新宿副都心建設公社によって整備されました。その後、街区は順次民間企業に売却され、三井不動産は超高層建築の先駆けである霞が関ビル建設の経験を活かし、1968年に9号地を購入して新宿副都心開発に参画しました。

当時、三井不動産の社長であった江戸英雄は、小田急電鉄の社長からの要望に応じ、住友不動産や京王帝都電鉄、第一生命保険に連絡を取り、新宿新都心開発協議会（SSK）を設立しました。SSKは1969年に「新宿新都心開発計画」を策定し、地域冷暖房の採用や歩道橋、歩行者デッキの設置など、画期的な都市計画を進めました。

新宿三井ビルは1974年10月に竣工しましたが、建設中に第一次オイルショックが発生し、資材の調達難や価格高騰に直面しました。しかし、徹底したコスト管理により、目標額を下回る費用で完成に至りました。総工費は約237億8千万円にのぼります。

2020年10月、三井不動産は新宿三井ビルを日本ビルファンド投資法人に売却しましたが、売却後も運営には関与し、ビルの名称も維持されています。

構造

ビルの高さは軒高210メートル、最頂部225メートルで、竣工当時は日本一の高さを誇りました。隣接する新宿センタービルよりも高さはわずかに高いものの、1階の位置が低いため、実際には低く見えることがあります。2階はロビー（Lb）階として表記されています。

外観は黒を基調としたガラス張りで、特徴的なX形の鉄骨は耐震補強の役割と、機械室の扉の押さえを兼ねています。また、非常階段を外部に露出させることで、火災時の煙の滞留を防ぐ設計が採用されています。

2015年には、長周期地震動による揺れを半減させる超大型制震装置が屋上に設置されました。

テナント・スポット

新宿三井ビルは、新宿高層ビル街に古くから存在し、多くの企業が入居しています。最上階の55階には、かつて中華レストラン「マンダリンパレス」がありましたが、現在はテナントの事務所となっています。54階には、三井グループの従業員やOB向けのレストラン「新宿三井クラブ」があります。

ビルの南側には、「55ひろば」と呼ばれる広場があり、テーブルセットが設置され、休憩や飲食に利用できます。ここでは、無料コンサートやフリーマーケット、後述する「新宿三井ビルディング会社対抗のど自慢大会」などが開催されています。

主な店舗・施設

地下1階: サンマルクカフェ、スターバックス、ドトールコーヒー、パパミラノ、そじ坊、寿司店、丸亀製麺、沖縄料理店、インド料理店、タイ料理店、中国料理店、朝鮮料理SIKDANGなど
1階: ロイヤルホスト、新宿三井ビル内郵便局、三井のリハウス、極東証券、屋台DELi
2階: シズラー、三井住友銀行ATM
3階: Shinjyuku KIZENBOU
4-5階: クリニック、歯科医院、調剤薬局
54階: 新宿三井クラブ

主な入居テナント

三井ホーム
三井不動産レジデンシャルリース
PayPay銀行本店
カプコン東京支店
JTB新宿事業部
セノン
トヨタ財団
東京美容国民健康保険組合

エレベーター

エレベーターは1996年から2000年にかけてリニューアルされ、18階以上はすべて日立製となっています。

非常用バンク

Dバンク: B3階 - B1階・1階・Lb階・3階 - 55階・P1階
Cバンク: 1階・Lb階・3階・43階 - 55階
Bバンク: 1階・Lb階・3階・29階 - 43階
Aバンク: 1階・Lb階・3階・17階 - 30階
駐車場用バンク: B3階 - B1階・1階・Lb階

新宿三井ビルディング会社対抗のど自慢大会

1975年から、入居企業間の親睦を深めるため、毎年8月下旬に「55ひろば」で入居企業対抗のど自慢大会が開催されています。出演者のレベルが高く、「新宿の奇祭」や「会社員のウッドストック」とも呼ばれています。コロナ禍で一時休止していましたが、2023年に4年ぶりに開催されました。

こののど自慢大会に出場するために、ビルに入居する企業もあるほどです。

アクセス

新宿駅より徒歩8分
都営大江戸線都庁前駅徒歩1分
地下鉄丸ノ内線西新宿駅より徒歩2分
駐車場：あり（有料）

参考資料

日本経営史研究所編『三井不動産七十年史』三井不動産、2012年3月。

関連項目

東京都の超高層建築物・構築物の一覧

外部リンク

新宿三井ビルホームページ
新宿三井クラブホームページ
新宿三井ビルディング - Facebook

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