新宿梁山泊

新宿梁山泊について



新宿梁山泊(しんじゅくりょうざんぱく)は、日本の劇団として、アングラ演劇の伝統を重んじる重要な存在です。1987年金守珍をリーダーとして設立され、そのテーマは「役者集団」、すなわち役者が中心となる劇団とされています。劇団名は、中国の古典小説水滸伝』に登場する好漢たちの集まりに由来し、また、唐十郎新宿でアングラ演劇の上演を始めたことにも触発されています。

劇団のスタート地点は、唐十郎作の「少女都市からの呼び声」の上演にあり、この作品がきっかけとなって多くの脚本家とのコラボレーションへと発展しました。特に、第三エロチカの座長である川村毅、さらには「劇団3○○」(げきだんさんじゅうまる)主宰の渡辺えり(旧称:渡辺えり子)など、優れた脚本家に依頼し作品を上演してきました。

新宿梁山泊は、設立当初から座付き作家に鄭義信を持ち、彼の作品を上演してきました。1995年に鄭が団を離れた後も、彼らはアングラ演劇としての理念を維持しつつ、テント芝居など、新たな形での作品を積極的に発表していきました。

国際的な活動



新宿梁山泊は国際的な舞台にも積極的に出演しており、韓国公演を毎年行う他、中国や台湾、さらにはドイツでも公演を行っています。特に1989年には韓国で「千年の孤独」を上演し、この作品で1989年度テアトロ演劇賞と第17回青丘賞を受賞しました。このような国際的な評価を得ることで、彼らの名声は国内外に広がっています。

著作権をめぐる裁判



2007年、新宿梁山泊が鄭義信の作品『それからの夏』を上演しようとした際、鄭は著作権を主張しその上演を差し止めました。これに対し、新宿梁山泊は、この戯曲や『人魚伝説』が劇団と共同制作であると主張し、裁判所に自主上演権を求めて提訴しました。この訴訟は2008年4月に新宿梁山泊が提訴を取り下げ、実質的に鄭の勝訴に終わりました。この事件は、劇団の歴史における重要な出来事の一つとして記憶されています。

主な俳優陣



劇団には数多くの才能ある俳優が在籍しており、金守珍六平直政、渡会久美子、大鶴義丹、今村美乃、三浦伸子、水嶋カンナなど、多様なキャストが揃っています。彼らの演技によって、演劇の表現が一層深まっています。

主な公演作品



新宿梁山泊は数多くの作品を上演しており、代表作には『千年の孤独』、『人魚伝説』、『映像都市(チネチッタ)』、『少女都市からの呼び声』、『吸血姫』、さらには近年の『ジャガーの眼』(2014年)、『二都物語』(2015年)、『新二都物語』(2016年)、『腰巻おぼろ』(2017年)や『ユニコン物語』(2018年)などがあります。

新宿梁山泊は、設立以来、いまだにアングラ演劇を牽引する存在であり、演劇の表現の自由を追求し続け、観客に新たな感動を提供するために積極的な活動を展開しています。

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