新宿運輸区

新宿運輸区について

新宿運輸区（しんじゅくうんゆく）は、かつて東日本旅客鉄道（JR東日本）において、運転士や車掌の組織として機能していました。この運輸区は、運転業務を担う専門家たちの拠点として、主に東京圏での鉄道運行に重要な役割を果たしていました。しかし、2024年3月15日をもって廃止され、その後は新宿統括センター乗務ユニットとして業務が続けられています。

乗務範囲の詳細

新宿運輸区に所属していた運転士の主な乗務範囲は次の通りです。

• - 湘南新宿ライン: 新宿〜小田原・平塚・逗子間
• - 東海道線: 東京〜熱海（来宮）間
• - 東海道貨物線: 新鶴見〜小田原間
• - 横須賀線: 東京〜逗子間
• - 埼京線: 新宿〜羽沢横浜国大（相鉄線直通列車のみ対応）

また、車掌の担当範囲には、次の路線が含まれます。

• - 湘南新宿ライン: 大宮〜小田原・逗子間
• - 中央本線: 東京〜塩尻間（ただし、御茶ノ水〜三鷹間は急行線のみ乗務）
• - 篠ノ井線: 塩尻〜松本間
• - 東海道線: 東京〜熱海間（2024年3月のダイヤ改正を受け、乗務範囲が熱海まで拡大されましたが、特急踊り子には乗務しません。）
• - 特急列車の乗務: あずさ、かいじ、はちおうじ、湘南（新宿発着のみ）

特に、あずさ号が千葉まで乗り入れる場合は、千葉までの乗務も行っていました。

歴史の概略

新宿運輸区の歴史は2004年に始まり、10月1日に新宿車掌区に田町運転区や東京電車区からの運転士が加わる形で発足しました。設立当初は、東京支社の中でも初の運輸区として重要な地位を占めることになりました。

以降、数度の変更がありました。2006年には中央・総武線各駅停車の行路が中野車掌区へ移管され、2007年には運転士や車掌の乗務路線の見直しも行われました。また、同年11月には三鷹電車区が廃止されたことに伴い、中央線の優等列車行路も新宿運輸区に移管されました。

2010年には、ダイヤ改正により中野〜三鷹間の行路が中野車掌区に戻され、東海道線の小田原〜東京間の行路を新たに担当することとなりました。

2019年3月には運転士が中央本線の乗務担当外となり、同年11月には相模鉄道との相互直通運転が開始され、埼京線内で新宿駅〜羽沢横浜国大駅間の乗務を開始しました。この時点で羽沢横浜国大駅には、相模鉄道の乗務員との交代が行える専用の休憩・宿泊スペースも設けられました。

そして、2024年3月16日に新宿営業統括センターと統合される形で、新宿統括センターが発足し、新宿運輸区は正式に廃止されました。これにより、長い歴史を持ったこの運輸区はその役割を終え、新たな組織へと移行していったのです。このように，新宿運輸区は、東京地域における鉄道運行の重要な一翼を担い、多くの乗客を支えてきた存在でした。

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