新宿野村ビルディング

新宿野村ビルディングは、東京都新宿区西新宿に位置する、野村不動産と野村不動産ホールディングスの本社機能を担う超高層ビルです。「新宿野村ビル」または「野村ビル」とも呼ばれています。

概要

建設の歴史は、1969年に野村不動産が超高層ビル建設を目指し、淀橋浄水場跡地の入札に挑んだことに始まります。入札は逃したものの、熊谷組が所有していた土地を取得し、1973年に建設委員会が発足しました。都市計画の専門家である高山英華氏を顧問に迎え、安井建築設計事務所、熊谷組の技術陣とともに、綿密な計画が練られました。建設途中、石油危機による中断がありましたが、1978年6月1日に竣工、当初の計画から9年の歳月を経て完成しました。

外観は白を基調とし、青緑色のガラスが特徴的です。隣には損保ジャパン本社ビルが隣接しており、新宿駅からは地下道や連絡通路を利用すれば、雨の日でも濡れずにアクセスできます。

ビル内部には多くの企業がテナントとして入居しており、地下には飲食店やコンビニ、上層階にはレストラン街や展望ロビーがあります。また、ビルの前の広場では、休日にはフリーマーケットなどのイベントが開催されることもあります。

リニューアル

1990年代には、オフィス需要の低迷やOA化の進展に対応するため、大規模なリニューアル工事が3期に分けて実施されました。これにより、オフィスとしての機能が大幅に向上しました。さらに、2006年には地下1階の商業フロア、2009年には地下2階へのアクセスを改善する工事が行われ、利便性が向上しました。2011年には西新宿駅からの地下連絡通路が開通し、アクセス性がさらに向上しています。

2016年には、野村不動産と竹中工務店が共同開発した制震装置「デュアルTMD-NT」が設置され、地震対策も強化されました。この装置は、南海トラフ地震と同等の長周期地震動による揺れを大幅に軽減する効果があります。

2020年には、貸会議室の「野村コンファレンスプラザ」が2階に移設され、より利用しやすい空間へと生まれ変わりました。複数の会議室を連結することで、最大400人規模の会議に対応できます。また、2021年にはウェビナー向けに高速インターネット回線が整備されました。

エレベーター

ビル内には、オフィス用24基、非常用2基、駐車場用2基のエレベーターが設置されています。エレベーターは、東芝、オーチス、三菱、日立の4社製で、それぞれ異なる階層をカバーしています。2012年度から順次リニューアル工事が行われ、2017年10月までに完了しました。

エレベーターの構成

1バンク（東芝製）：1階 - 12階
2バンク（オーチス製）：1階・4階・12階 - 19階
3バンク（三菱製）：1階・4階・19階 - 26階
4バンク（三菱製）：1階・4階・26階 - 33階
5バンク（日立製）：1階・4階・33階 - 41階
6バンク（日立製）：1階・4階・41階 - 50階
非常用（東芝製、オーチス製）：地下5階 - 50階
駐車場用（オーチス製）：地下5階 - 1階
B2⇄B3階直行用（オーチス製）：地下2階 - 地下3階

主なテナント

地下1階と2階には、約25店の飲食店や店舗が入居しています。4階には社員専用のカフェテリア、5階にはクリニック、49階と50階にはレストラン街と無料の展望ロビーがあります。

主なオフィス

野村不動産
野村不動産ソリューションズ
野村不動産パートナーズ
ヤマザキビスケット
東京個別指導学院
松田産業
総合資格

その他主なテナント

りそな銀行首都圏ローンプラザ
新宿野村ビル内郵便局
かんぽ生命保険
ABCクッキングスタジオ
クスリの龍生堂薬局
三菱UFJ銀行ATM

交通

各線 新宿駅より徒歩6分
都営地下鉄大江戸線 都庁前駅より徒歩4分
東京メトロ丸ノ内線 西新宿駅より徒歩4分
駐車場：あり（有料）

関連作品

建設前の空き地だった頃には、以下のような作品のロケ地としても使用されました。

太陽にほえろ!（1973年）
電撃戦隊チェンジマン（1985年）
光戦隊マスクマン（1987年）

脚注

詳細は以下の資料を参照してください。

野村不動産グループ創業60周年記念事業担当編『野村不動産グループ六十年史』野村不動産ホールディングス、2017年。

関連項目

野村ビルディング

外部リンク

新宿野村ビル（公式サイト）
* 新宿野村ビル レストラン&ショップ

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