新川平野

新川平野

新川平野は、富山県東部に広がる沖積平野であり、広義の富山平野の一部を構成しています。具体的には、黒部川から早月川にかけての急勾配の扇状地を指し、滑川市、魚津市、黒部市、下新川郡入善町、朝日町にまたがっています。

地勢

新川平野には、上市川、早月川、角川、片貝川、布施川（河口付近で片貝川と合流）、黒部川、小川などの主要な河川と、それらの支流が流れています。これらの河川が運んだ土砂によって形成された扇状地が重なり合った複合扇状地であり、特に黒部市、入善町、朝日町の一部は黒部川によって形成された黒部川扇状地です。

平野の北と西には富山湾が広がり、東と南には立山連峰が連なっています。このため、魚津市は海底から市街地、山間部へと続く馬の背のような急な地形となっています。また、断層や浸食の影響で段丘も多く見られます。一方で、滑川市や黒部市の山間部はなだらかな丘陵地帯となっており、朝日町はフォッサマグナの影響で後立山連峰が海岸近くまで迫り、糸魚川まで海と山が隣接する特徴的な地形を形成しています。

産業

扇状地の扇端部では、ミネラルを豊富に含んだ非常に冷たい湧き水が豊富に湧き出ています。この湧水は、伏流水として利用され、野菜の洗浄などに使われる施設が多数存在します。この湧水は地表だけでなく海底にも湧き出しており、魚津埋没林や入善の沢杉、海底林が腐敗せずに保存されている要因となっています。このような湧水の存在が、富山湾内の豊かな生態系を育んでいます。また、富山湾は海底が急激に深くなるという特徴を持つため、沿岸部ではホタルイカや深海魚の漁業が盛んに行われています。

脚注

新川平野は、複数の河川が形成した扇状地が重なり合った複合扇状地である。
湧水が豊富で、伏流水を利用した農業や水産加工が盛んである。
富山湾の地形特性から、沿岸漁業が活発である。

関連項目

富山平野
射水平野
砺波平野

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