新日本製鐵釜石硬式野球部

新日本製鐵釜石硬式野球部

新日本製鐵釜石硬式野球部は、岩手県釜石市に本拠地を置き、日本野球連盟に所属していた社会人野球の企業チームです。その歴史は1932年に遡り、釜石鉱山が設立した『釜石鉱山硬式野球部』から始まりました。その後1934年に、母体企業が合併し日本製鐵が誕生した際にチーム名も変更され、『日本製鐵釜石硬式野球部』となりました。

1940年代から1950年代にかけて、チームは都市対抗野球大会や日本選手権に出場し、特に1959年には都市対抗野球で準優勝を果たしました。当時、このチームは「東北の暴れん坊」として知られており、その名のとおり、力強くも勢いのあるプレースタイルでファンを惹きつけました。

1970年に、日本製鐵が新日本製鉄と改編されたのを機に、チーム名は『新日本製鐵釜石硬式野球部』に変更されました。その後、1977年には社会人野球日本選手権大会にも初めて出場し、注目を集めました。

しかし、1988年には釜石製鐵所の高炉閉鎖に伴う合理化の一環として、11月に休部の決定が下されました。チームの存続を望んだ選手たちは君津や名古屋など他のチームに移籍する道を選びました。

沿革

• - 1932年: 釜石鉱山硬式野球部として創部。
• - 1934年: 合併により日本製鐵釜石硬式野球部に改称。
• - 1938年: 都市対抗野球大会に初出場。
• - 1950年: 組織再編に伴い富士製鐵釜石硬式野球部に改称。
• - 1959年: 都市対抗野球大会で準優勝。
• - 1970年: 新日本製鐵釜石硬式野球部に改称。
• - 1977年: 社会人野球日本選手権大会に初出場。
• - 1988年: 休部。

主要大会の出場歴・最高成績

• - 都市対抗野球大会: 18回出場
• - 社会人野球日本選手権大会: 5回出場
• - 東日本選抜大会: 1955年、1956年に優勝。
• - JABA東北大会: 1978年、1979年、1982年に優勝。

出身プロ野球選手

• - 沢藤光郎（投手）: 1950年に近鉄パールスに入団。
• - 高木時夫（捕手）: 1961年に中日ドラゴンズに入団。
• - 山田久志（投手）: 1968年にドラフト1位で阪急ブレーブスに入団。
• - 高島覚（投手）: 1987年にドラフト外で中日ドラゴンズに入団。
• - 足利豊（投手）: 休部後、新日本製鐵名古屋へ移籍し、1990年にはドラフト5位で福岡ダイエーホークスに入団。

かつて在籍した選手・コーチ・監督

• - 高橋千秋（投手）: 1974年にドラフト3位で中日ドラゴンズに指名されましたが、入団を拒否しました。

新日本製鐵釜石硬式野球部の活躍は、地域の野球に対する関心を高め、多くの記憶に刻まれています。現在も、その歴史は多くのファンに語り継がれています。

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