新日石ビルヂング

新日石ビルヂングの概要

新日石ビルヂングは、東京都千代田区丸の内三丁目に所在するオフィスビルです。この場所は、かつて日本石油（現ENEOS）が本社を置いていた旧日石ビルディング（旧称：有楽館）があった場所です。

歴史

1922年に竣工した旧日石ビルディングは、1962年8月に日本石油の本社が西新橋に移転するまで、その役割を果たしていました。その後、1963年頃には、地権者である三菱地所が周辺のビルと一括で建て替える構想を立てましたが、建物所有者である日本石油との交渉が難航しました。その結果、旧日石ビルディングの区画を除いたL字型の部分に、1967年に新国際ビルヂングが竣工しました。

日本石油本社移転後、旧日石ビルディングは、同社の子会社である日石不動産によって貸ビルとして運営されていました。しかし、建物の老朽化が進み、1978年12月には土地の賃貸借契約が満了することから、建物の改築が計画されました。

三菱地所と日本石油の間で、借地権と底地の交換が行われ、敷地を分割して両社がそれぞれ土地を所有し、共同で新ビルを建設することになりました。旧ビルは1979年6月から解体され、同年9月から本体工事に着手し、1981年7月に現在の新日石ビルヂングが竣工しました。

なお、日本石油は2002年から2010年まで新日本石油（略称：新日石）の社名を使用していましたが、このビルの名前の由来ではありません。

建築の特徴

新日石ビルヂングは、南側と西側の2方向で新国際ビルヂングに接しています。その建築において、軒高や壁面線は新国際ビルや近接する新東京ビルヂングと合わせて統一感を持たせ、景観に配慮しています。また、地下駐車場は新国際ビルの既存のものと一体で運営されており、周辺道路の混雑緩和に貢献しています。

まとめ

新日石ビルヂングは、その歴史的背景と、周辺の建物との調和を意識した建築設計が特徴的なオフィスビルです。かつての旧日石ビルディングの歴史を引き継ぎつつ、現代的なオフィスビルとして生まれ変わりました。丸の内エリアの景観を形成する重要な一角を担っています。

参考文献:

三菱地所『丸の内百年の歩み 三菱地所社史下巻』1993年3月6日、346-347頁。

外部リンク:

新日石ビルヂング（三菱地所）

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