新国際ビルヂング

新国際ビルヂング

新国際ビルヂングは、東京都千代田区丸の内三丁目に所在するオフィスビルです。このビルは、その歴史において、複数の旧ビル解体と関係者の調整を経て建設されました。

歴史

新国際ビルヂングの建設地は、かつて複数の歴史ある建物が立ち並ぶ場所でした。具体的には、丸の内仲通り沿いにあった三菱仲4号館（1912年竣工）、三菱仲2号館（1919年竣工）、飯野海運ビル（1919年竣工）と、大名小路沿いにあった日石ビルディング（旧 有楽館。1922年竣工）、日本交通協会会館（1916年竣工）、生命保険会館などです。

これらのうち、三菱仲4号館と仲2号館の跡地では、1963年11月12日に新ビル建設の地鎮祭が執り行われました。飯野海運ビルは、当初日本製麻本社として建設された後、富国生命保険の所有となり、1951年に飯野海運が所有しました。1962年より飯野海運は三菱地所に売却交渉を行い、1963年9月に三菱地所が購入後、「仲2号館別館」として第一生命保険に賃貸されました。

生命保険会館を所有していた生命保険協会は、1960年より三菱地所に対し単独での建て替えを申し入れていましたが、共同で大型ビルを建設する方針の三菱地所とは意見が合いませんでした。しかし、1963年5月に生命保険協会会長に弘世現日本生命保険社長、会館建設を担当する副会長に浜田吉兵衛第一生命保険社長が就任すると、方針を転換し、共同ビル案に賛同しました。そして1964年6月に合意が成立しました。

日本交通協会は、三菱地所からの共同ビル建設提案に非公式に同意の意向を示していましたが、建設資金やテナントの移転問題で交渉は難航していました。1963年7月に十河信二元日本国有鉄道総裁が会長に就任し、生命保険協会と三菱地所の合意が成立すると、日本交通協会と三菱地所の話し合いも進展しました。その結果、テナントの移転先の手配や建て替え中の賃料の補償、新ビルのフロアの一部を日本交通協会が所有することを条件に、1965年10月に合意に至りました。

一方で、日本石油との交渉は成立せず、1979年より新日石ビルヂングとして単独で建て替えられました。仲2号館別館（旧 飯野海運ビル）と生命保険会館は、1965年3月28日より解体を開始し、同年5月1日より本体工事に着手しました。日本交通協会会館の引き渡しは翌1966年1月16日で、工程の調整が求められました。

仲4号館・仲2号館跡地に第1期工事として建設された建物は、「第三東京ビルヂング」という名称で1965年9月20日に竣工しました。第2期工事は1967年3月22日に竣工し、隣接地に1966年9月に竣工した「国際ビルヂング」との調整から、「新国際ビルヂング」に改称されました。

建築

新国際ビルヂングは、北東角に新日石ビルヂングがあるため、北を上にしたL字型の断面を持つという特徴があります。また、地下には三菱地所として初となる地域熱供給プラントが設置され、1974年より周辺のビルに冷暖房用の蒸気を供給していました。このプラントは、1990年に丸の内熱供給株式会社に移管されています。

テナント

新国際ビルヂングには、生命保険協会（3階）、日本交通協会（9階）、三井住友銀行丸ノ内支店などのテナントが入居しています。

脚注

参考文献
三菱地所『丸の内百年の歩み 三菱地所社史下巻』1993年3月6日、123-127頁。

外部リンク
新国際ビルヂング（三菱地所オフィス情報）

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