新東京都民ゴルフ場

新東京都民ゴルフ場

新東京都民ゴルフ場は、東京都足立区新田に位置するゴルフ場です。その歴史は古く、1955年（昭和30年）に、当時都内に一箇所しかなかったゴルフ場を大衆化しようと、安達建設によって荒川河川敷に「東京都民ゴルフ場」として開場したのが始まりです。

歴史

開場と大衆化への貢献

ゴルフ場開場の背景には、安達建設の創業者である安達幸三郎の強い思いがありました。当時、ゴルフは大衆的なスポーツとは言えず、限られた人しか楽しめないものでした。安達は、ゴルフをもっと多くの人に楽しんでもらいたいと考え、広大な河川敷に36ホールのゴルフ場を建設しました。

茨城ゴルフ倶楽部の誕生

その後、コースは台風による冠水被害に悩まされましたが、安達幸三郎の次男である安達貞市が経営を引き継ぎ、「東京都民ゴルフのメンバーを救うため」に新たなゴルフ場建設を決意します。茨城県伊奈村小島新田の原野に目をつけ、用地を買収。「茨城ゴルフ倶楽部」を誕生させました。東京都民ゴルフ場の設計は、上田治に依頼されました。

幾多の困難を乗り越えて

ゴルフ場建設には、多くの困難が伴いました。河川敷という立地から、コースは度々冠水に見舞われ、建設中には狩野川台風による甚大な被害も受けました。しかし、設計を担当した上田治は、これらの困難を乗り越え、36ホールのコースを完成させました。

日本ゴルフ史における重要な場所

東京都民ゴルフ場は、日本のゴルフ場史を語る上で欠かせない存在です。ゴルフ場の父と呼ばれるチャールズ・ヒュー・アリソンの影響を受けた上田治が設計し、安達貞市が造り上げました。かつては林由郎が契約プロとして在籍し、青木功や金井清一といった名選手がここで腕を磨きました。都内に現存するゴルフ場としては2番目に古く、長きにわたり都民に愛されてきました。

規模縮小と運営会社の変更

しかし、時代の流れとともに、ゴルフ場を取り巻く環境も変化しました。近隣住民の増加や度重なる用地接収により、コース規模は縮小を余儀なくされました。2009年には運営会社が経営から撤退しましたが、足立区と地元企業「株式会社NIHON・TURF＆GREEN」との連携により、「新東京都民ゴルフ場」として新たなスタートを切りました。

台風被害からの復活

2019年には、台風19号によりゴルフ場が全面冠水し、致命的な被害を受けました。復旧作業と営業再開が困難となり一時閉鎖されましたが、「葵会グループ」の支援により、2020年8月にリニューアルオープンを果たしました。

現在

現在は、会員組織を持たないパブリック運営のゴルフ場として、気軽にゴルフを楽しめる場を提供しています。ショートホール中心のコース構成で、初心者からベテランまで、幅広い層のゴルファーに親しまれています。2021年からは「STTG友の会」も発足し、セミパブリック運営も行っています。

コース情報

所在地：〒123-0865 東京都足立区新田一丁目15番1号
開場日：1955年9月9日
設計者：上田 治
面積：268,000m2（約8.1万坪）
コースタイプ：河川敷コース
ホール数：9ホール
パー：31
ヤード：3,904ヤード

新東京都民ゴルフ場は、日本のゴルフ史を彩る貴重なゴルフ場であるとともに、都民に愛される憩いの場として、これからもその歴史を刻み続けていくでしょう。

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