新極道の妻たち 惚れたら地獄

新極道の妻たち 惚れたら地獄

『新極道の妻たち 惚れたら地獄』は、1994年に公開された日本映画であり、人気シリーズ『極妻』の第7作にあたります。主演は岩下志麻、監督は降旗康男が務めました。本作は、大阪を舞台に、小規模なヤクザ組織である御蔵組の妻、村木芙由が、夫の死後、組を継ぎ、土地再開発の利権を巡る抗争に巻き込まれていく姿を描いています。

あらすじ

大阪ミナミを拠点とする御蔵組組長の妻、村木芙由は、夫の快気祝いの宴で幹部たちと穏やかな時を過ごします。しかしその裏では、ミナミの再開発計画を巡り、巨額の利権争いが勃発していました。会合へ向かう夫は何者かの襲撃を受け命を落とし、芙由は組を継ぐことになります。芙由は、揉め事を避けるため、幹部たちに目立った行動を慎むよう指示しますが、若い組員が侠和会傘下の組員を殺害してしまう事件が起こり、事態は急変します。

御蔵組幹部の権藤は、一連の事件が侠和会の仕業だと確信し、報復を主張しますが、芙由は事態を悪化させないため、自ら侠和会に詫びを入れます。しかし、侠和会会長の妻、英子は芙由に激しい敵意を抱き、刺客を送り込みます。辛くも難を逃れた芙由は、侠和会との抗争を避け、組織の立て直しを図ろうとしますが、権藤らは独断で侠和会幹部を襲撃し、逮捕されてしまいます。これにより、御蔵組は弱体化し、再開発の利権は侠和会の手に渡ってしまいます。

全てを失いかけた芙由でしたが、若頭の新谷に御蔵組再建の望みを託します。しかし、新谷は侠和会の罠にはまり命を落とします。復讐を誓った芙由は、僧侶に変装し、侠和会の法要に潜入し、坂本夫婦を射殺し、自らも警察に逮捕されます。

キャスト

村木芙由：岩下志麻
御蔵組組長の妻。夫の死後、組を継ぎ、様々な困難に立ち向かいます。元芸妓で度胸が据わっており、銃の扱いにも長けています。
新谷清二：山下真司
御蔵組の若頭。組長亡き後、組をまとめようと奔走しますが、侠和会の策略により命を落とします。
新谷斎子：斉藤慶子
清二の妻。芙由を献身的に支えますが、夫と共に非業の死を遂げます。
権藤啓太：世良公則
御蔵組幹部。侠和会への報復を主張し、芙由と対立します。
坂本英子：あいはら友子
侠和会会長の妻。芙由に激しい敵意を抱き、様々な策略を巡らせます。
坂本重秋：中条きよし
侠和会会長。再開発の利権を狙い、御蔵組を追い詰めます。

スタッフ

監督：降旗康男
原作：家田荘子
脚本：松田寛夫
音楽：服部克久

評価

『新極道の妻たち 惚れたら地獄』は、岩下志麻演じる主人公の迫力ある演技や、抗争、策略、人間模様が複雑に絡み合うストーリー展開などが評価されました。また、シリーズを通して、劇場公開時、ビデオセールス、TV放映権料等を含め100億円を突破しました。

本作は、極道の世界に生きる女性たちの生き様を描いた作品として、多くの観客を魅了しました。

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