新極道の妻たち

新極道の妻たち

『新極道の妻たち』は、1991年に公開された日本映画。人気シリーズ「極妻」の第5作目にあたり、監督は中島貞夫、主演は岩下志麻が務めた。

概要

本作は、関西を舞台としたヤクザ組織の跡目争いを軸に、複雑に絡み合う人間模様を描いている。跡目を巡る親子の愛憎、ヤクザの息子と一般女性との恋愛、そして組織を乗っ取ろうとする敵対組織の陰謀が展開される。また、1991年に制定された暴対法（暴力団対策法）が取り上げられている点も特徴。シリーズで唯一、女性脚本家の那須真知子が脚本を担当している。
キャッチコピーは「母子の縁は、これまでや！」。

あらすじ

藤波組二代目霊代・藤波加奈江（岩下志麻）は、若頭・松岡（曽根晴美）の出所祝いを開く。加奈江は松岡に三代目を継がせるつもりだったが、松岡が急死。跡目争いが勃発する。

神原組の幹部・角谷（夏八木勲）が組の様子を探りに来るなど、不穏な空気が漂う中、加奈江は幹部会で宗田（桑名正博）を三代目にすることを提案する。しかし、実子の直也（高嶋政宏）が跡目を主張し、事態は混迷を深める。

直也は、コンサートで出会った女子大生・葉子（海野圭子）に一目惚れ。“エリート社長”と偽って交際を始めるが、ヤクザであることを知られた葉子に拒絶されてしまう。それでも諦めきれない直也は、葉子に全てを打ち明け、プロポーズするも断られる。

一方、跡目争いで手柄を立てようと焦る直也は、神原組と繋がりのある組長を殺害。抗争が勃発し、加奈江は角谷と休戦協定を結ぶ。しかし、角谷が藤波組の内情に詳しいことに気づき、組内にスパイがいると疑念を抱く。

直也は葉子にヤクザを辞めるよう懇願されるが、母・加奈江の指示だと疑う。本宅で加奈江と対峙した直也は、ヤクザからの引退を拒否。母子の縁を切ってでも極道を貫こうとする直也に、加奈江は根負けするも、息子の成長を喜ぶ。

緊急幹部会で、加奈江は神原組との戦争を決意。宗田は直也に三代目を継がせることを決意し、組は一致団結する。

しかし、直也は組長殺害の容疑で警察に出頭した際、何者かに射殺されてしまう。加奈江は、宗田が神原組に取り入るために直也を殺害したことを知り、宗田を問い詰める。真相を知った加奈江が部屋を出た後、宗田を始末するために入ってきた組員の銃声が鳴り響く。

キャスト

藤波加奈江：岩下志麻
藤波直也：高嶋政宏
宗田義人：桑名正博
氏家葉子：海野圭子
桐島美佐子：かたせ梨乃
国井勝次：西岡徳馬
角谷孝仁：夏八木勲
若原刑事：石橋蓮司
松岡龍三：曽根晴美
矢内一重：三上真一郎

スタッフ

監督：中島貞夫
企画：日下部五朗
原作：家田荘子
脚本：那須真知子
撮影：木村大作
音楽：小笠原寛

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