新潟県立高田商業高等学校

新潟県立高田商業高等学校（にいがたけんりつたかだしょうぎょうこうとうがっこう）は、新潟県上越市中田原に位置する県立高等学校です。地元では「高商」の通称で親しまれています。上越地域において、ビジネス（商業）に関する専門的な教育を提供する唯一の高校として、地域経済や社会の発展に貢献できる人材の育成を目標としています。

設置学科

現在、設置されている学科は総合ビジネス科のみです。この学科では、社会で役立つ幅広いビジネス知識と実践的なスキルを習得します。生徒は2年次から、より専門的な学びを深めるために、以下の3つのコースいずれかを選択します。

会計コース：簿記や会計に関する専門知識・技術を深く学びます。
ビジネスコース：流通、マーケティング、ビジネスマネジメントなど、商業全般にわたる知識を修得します。
情報コース：情報処理、プログラミング、データ分析など、情報化社会に対応するためのスキルを磨きます。

沿革

本校の歴史は、1916年（大正5年）4月20日に高田市立高田商工学校として開校したことに始まります。開校当初は商業科に加え、漆工科と家具科も設置されており、産業教育を担う学校としてスタートしました。1926年（大正15年）4月1日には県立に移管され、新潟県立高田商工学校と改称しました。その後、学科構成は時代の要請に応じる形で変遷を重ね、1934年（昭和9年）には商業科と工芸科（木工、漆工分科）、1943年（昭和18年）には木材工芸科と建築科が新設されました。

太平洋戦争中の1944年（昭和19年）、戦時非常措置令により新潟県立高田工業学校と改称し、商業科は一時的に機械科へ転換されるという大きな変化を経験しました。終戦後の1946年（昭和21年）には商業科が復活し、木材工芸科、土木科、建築科を合わせた4科体制に戻りました。1948年（昭和23年）4月1日の学制改革により、高田商工学校の商業科が独立し、新潟県立高田商業高等学校として新たな歴史を刻み始めました。工業科とは校舎が分離され、それぞれが独自の道を歩むことになります。

商業高校として独立後、本校は実践的な商業教育に力を入れ、1951年（昭和26年）には商業実践活動組織「六華商事」を設立。文部省から高等学校産業教育研究指定校（商業実践）の指定を受けるなど、先進的な取り組みを進めました。1960年代には定時制課程が設立されましたが、後に新潟県立高田南城高校の開校に伴い募集停止となりました。

1972年（昭和47年）9月7日には、現在地である上越市中田原の新校舎へ移転が完了。これ以降、体育館、図書館、特別教室棟、グラウンドなど、教育環境の整備が段階的に進められました。1975年（昭和50年）には電子計算機が設置され、文部省高等学校教育課程研究指定校（電子計算機一般）に指定されるなど、情報化への対応も早期から行われています。

1976年（昭和51年）8月には、第58回全国高等学校野球選手権大会（夏の甲子園）に出場し、学校の歴史に新たな一ページを加えました。その後も、情報処理科の設置（1988年）や中型コンピュータシステムの導入（1988年）など、情報化への対応を強化。2004年（平成16年）には商業科と情報処理科を統合し、現在の総合ビジネス科に学科改編されました。2005年（平成17年）には生徒が開発した商品を販売するチャレンジショップ「Rikka」をオープンさせるなど、地域社会との連携や実践的な学びの場を創出しています。これらのキャリア教育の充実発展が評価され、2006年（平成18年）には文部科学大臣賞を受賞しました。また、模擬株式会社「Rikka」を設立するなど、より高度なビジネス実践にも取り組んでいます。

近年では、文部科学省の地域協働推進校や県教育委員会の人権教育研究指定校に指定されるなど、教育内容の質向上や社会との連携強化にも積極的に取り組んでいます。

教育目標

本校では、以下の教育目標を掲げ、将来を担う心豊かな人材育成を目指しています。

真理を探求し正義を愛する人間性の確立
個性を伸長し自己の使命を果たし得る人間の養成
勤労を尊び責任を重んずる性格の涵養
自主、独立、創造力に富む資質の開発
健康にして明朗、人間味豊かな人間の育成

部活動

運動部、文化部ともに活発な活動が行われています。主な部活動は以下の通りです。

運動部：野球、陸上競技、サッカー、ソフトテニス（女）、ソフトボール（女）、バレーボール（女）、バスケットボール（女）、バドミントン、卓球
文化部：吹奏楽、芸術（美術・書道・イラスト）、写真、家庭科、ワープロ、コンピュータ、商業実務

校歌

校歌は、小川保氏が作詞し、梁田貞氏が作曲を手がけました。

アクセス

えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインの南高田駅から徒歩約10分でアクセス可能です。なお、バイク通学は届出制で、一部の生徒のみ認められています。

主な出身者

これまでに、バスケットボール指導者の炭田久美子氏や、バンド「My Hair is Bad|My_Hair_is_Bad」の椎木知仁氏などが本校から巣立っています。

高田商業高等学校は、創立以来一世紀以上にわたり、地域社会に貢献する商業教育を提供し続けています。実践的な学びと豊かな人間性の育成を通じて、生徒一人ひとりが未来を切り拓く力を育んでいます。

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