新田間川

新田間川（あらたまがわ）

神奈川県横浜市を流れる二級河川である新田間川は、帷子川から分派する全長1.41kmの河川です。本項では、新田間川と一体をなす幸川（さいわいがわ）、そしてかつて新田間川の派川であった派新田間川（は あらたまがわ）についても解説します。

流域

新田間川と幸川の流域は全て横浜市西区に位置します。新田間川は西区南浅間町と岡野二丁目の境界で帷子川から分かれ、市街地を北東に流れます。その後、横浜駅西口の内海橋付近で南西に転じ、横浜ビブレ前で幸川と名前を変えます。幸川は相鉄ジョイナス付近で再び帷子川に合流し、最終的に横浜港へと注ぎます。

かつて新田間川は、内海橋からそのまま直進し、横浜駅西口・きた西口を通り、帷子川分水路の鶴屋橋近くにあった旧内海橋まで続いていました。しかし、戦後の横浜駅西口開発と区画整理に伴い、1953年にこの区間は埋め立てられ、消滅しました。

帷子川からの分派点から300mほど上流では、新田間川とは反対方向に石崎川が分かれており、これらが漢字の「中」の字のような流路を形成しているのが特徴です。

幸川沿いには、横浜駅西口の開発が始まった1955年頃から許可を得ずに営業する屋台が立ち並んでいましたが、2016年1月末に全て営業を終了し、現在は歩道として整備されています。一方で、鶴屋橋付近を不法占拠していたバラックや屋台は、新田間川の一部埋め立てと横浜駅西口の区画整理により移転し、現在の横浜駅きた西口の飲食街「狸小路」として生まれ変わりました。

歴史

新田間川は、江戸時代に新田開発が行われた際に、石崎川とともに用水路として整備されました。1859年には、東海道と横浜港を結ぶ横浜道（現在の新横浜通り）に橋が架けられ、「新田間橋」と名付けられました。当時は、南幸・北幸付近が入り江であり、新田間橋付近が河口でした。

1998年10月には、地元のプロ野球チームである横浜ベイスターズが38年ぶりにセントラル・リーグ優勝を果たした際、横浜駅近くの新田間川にファンが飛び込み死亡する事故が発生しました。この事故は、阪神タイガースの優勝時にファンが道頓堀川に飛び込む行為への警鐘として言及されることがあります。

派新田間川

入り江の埋め立てによって、新田間橋付近から左に分かれ、横浜駅の北側を通って海に注ぐ二次派川として派新田間川が作られました。しかし、1997年に竣工した帷子川分水路に接続するために新田間川から切り離され、新田間川から分水路接続点の間は埋め立てられました。

現在の派新田間川は、首都高速横浜駅西口出入口付近の分水路接続点から、そごう横浜店裏手の帷子川合流部までの約1,080mで、そのほとんどの区間で首都高速の高架橋が上を通っています。この川の右岸は西区と神奈川区の境界線となっています。

橋梁

新田間川

（帷子川分派点）
烏帽子田橋
藤江橋・藤江人道橋
霜下橋・霜下人道橋
浅岡橋
岡野橋
新田間橋（新横浜通り）
一之橋・一之橋人道橋
（新田間川・幸川境）

幸川

内海橋・内海人道橋
幸川橋
南幸橋
幸橋
（帷子川合流点）

派新田間川

二之橋
北幸橋
西鶴屋橋
鶴屋橋
JR東海道本線・京急本線橋梁
月見橋
金港橋（国道1号。上部に金港ジャンクション）
横浜駅ポートサイド人道橋（ベイクォーターウォーク）
かもめ歩道橋

参考文献

神奈川県・横浜市『帷子川分水路建設工事記念誌』1997年。

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