新竹州庁

新竹州庁は、台湾新竹市北区に位置する国定古蹟であり、かつて新竹州の行政を担った庁舎として使用されました。現在は新竹市政府の庁舎として利用されています。この建物は、台湾の歴史と文化を物語る重要な建築物の一つです。

建設の背景

1920年、新竹庁が廃止され、新たに新竹州が発足しました。新竹州は、現在の桃園市、新竹県、新竹市、苗栗県にまたがる広大なエリアを管轄していました。新竹州の発足後、急速な発展に伴い、清朝時代から使用されていた庁舎が手狭になったため、新たな庁舎の建設が計画されました。

1925年、2階建てのレンガ造りの西洋建築として新庁舎の建設が着工されました。建物の基礎と横梁にはコンクリートが使用され、屋根は木造躯体に黒瓦を葺いた和洋折衷のデザインが採用されました。1926年12月4日には主要な工事が完了し、州庁舎としての利用が開始されました。1927年11月27日には落成式典が開催され、正式に新竹州庁舎としてその役割を担うことになりました。その後、1932年には入口部分が拡張されました。

歴史的変遷

第二次世界大戦中の1944年10月、新竹州庁は空襲により一部が損壊しましたが、すぐに修復されました。1945年12月30日、台湾が日本統治から解放されると、新竹州は台湾省新竹県となり、旧州庁舎は県政府庁舎として接収されました。しかし、1945年1月28日には、県政府は桃園に移転し、新竹市が省轄市として新竹県から独立したため、新竹市の市政府が旧州庁を庁舎として使用することになりました。

1950年10月25日、新竹市が県轄市となり新竹県に編入されたため、再び県政府庁舎として使用されることになりました。その後、1982年7月1日に新竹市が省轄市に再昇格し、1989年7月には新竹県政府が竹北市に移転したため、旧州庁は新竹市政府の庁舎として現在に至るまで使用されています。

現代における役割

1998年6月22日、新竹州庁は国定古蹟に指定され、その歴史的価値が認められました。2000年からは史跡保護事業が開始され、2005年に完了しました。修復を終えた現在では、保存状態の良い官公庁建築として、また台湾における重要な文化遺産として、その姿を留めています。

周辺施設

新竹州庁の周辺には、新竹駅、新竹之心（迎曦門）、北門街商圈、巨城購物中心、新竹地方法院、新竹市役所（現・新竹市美術館）、兆豊国際商業銀行北新竹分行、台湾銀行新竹分行、林務局新竹林区管理処など、多くの公共施設や商業施設が存在しています。また、旧名驛前大道である中正路も近隣に位置しています。

関連事項

新竹州庁は、台湾の歴史を語る上で重要な遺産であると同時に、日本統治時代の台湾を象徴する建物の一つでもあります。関連する項目として、台湾古跡一覧、日本統治時代の台湾、新竹州、新竹市、新竹市政府などが挙げられます。また、新竹市長を務めた蔡仁堅は、州庁周辺の整備に尽力しました。

新竹州庁は、その歴史的価値と美しい建築様式から、現在では観光名所としても多くの人々が訪れています。この建築物は、台湾の近代史を語る上で欠かすことのできない存在です。

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