新米雑役夫

『新米雑役夫』（The New Janitor）は、1914年に公開されたチャールズ・チャップリン監督・主演の短編サイレント映画です。キーストン社が製作し、チャップリンのフィルモグラフィーにおいて27作目に当たります。別邦題として『新米用務員』とも呼ばれています。

あらすじ

物語は、チャーリーがとある会社の新入り用務員として働くところから始まります。不器用なチャーリーは、ある日、誤って社長にバケツの水をかけてしまうという失敗を犯してしまいます。一方、会社では支配人がギャンブルで作った借金を穴埋めするために、オフィスの金庫からお金を盗もうと企んでいます。

支配人が金庫からお金を持ち出そうとする場面を、秘書が目撃してしまいます。口封じのために、支配は秘書に暴行を加え、気絶させてしまいます。そこへ、偶然チャーリーが金庫室にやってきます。チャーリーは、支配人から見事銃を奪い取ることに成功します。

しかし、チャーリーが支配人に銃を突きつけたことが社長に咎められ、警察に逮捕されてしまいます。その後、意識を取り戻した秘書が事件の真相を証言したことで、事態は急展開を迎えます。支配人の不正が明らかになり、逮捕されることになります。チャーリーは、その功績が認められ、社長から賞賛されるのでした。

評価

本作は、前作『両夫婦』からわずか17日後に公開されました。映画史家のデイヴィッド・ロビンソンは、この短い期間にチャップリンが飛躍的な進歩を遂げていると指摘しています。全体としては喜劇でありながら、ドラマやサスペンスといった感情的な要素が盛り込まれている点、編集によって作品に力強さが加わっている点、ギャグの配置や小道具の使い方が洗練されている点など、総合的に見てチャップリンの成熟度が増していると評価しています。

キャスト

チャールズ・チャップリン - チャーリー
ジェス・ダンディ - 社長
ジャック・ディロン - 支配人
ミンタ・ダーフィ - 秘書
アル・セント・ジョン - エレベーターボーイ
グレン・カーヴェンダー - ギャンブラー

参考文献

デイヴィッド・ロビンソン『チャップリン』 上、宮本高晴、高田恵子 訳、文藝春秋、1993年4月。ISBN 978-4-1634-7430-4。
大野裕之『チャップリン・未公開NGフィルムの全貌』日本放送出版協会、2007年3月。ISBN 978-4-1408-1183-2。

外部リンク

The New Janitor - IMDb（英語）
The New Janitor - YouTube - BGM有り

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