北郷敏久

北郷敏久（ほんごう としひさ）

北郷敏久は、室町時代に日向国（現在の宮崎県）で活躍した武将で、北郷氏の6代目当主です。父である5代当主・北郷持久が、大覚寺義昭事件に連座して都城を追放されて以来、24年ぶりに北郷氏の本拠地である都城に復帰しました。

生涯

応仁2年（1468年）、敏久は庄内瀬田ケ辻（現在の宮崎県都城市庄内町）に安永城を築き、父・持久とともに居城としました。この築城には、薩州家の島津国久や豊州家の島津季久が助勢したと伝えられています。

文明8年（1476年）、島津宗家11代当主・島津忠昌の命により、都城を回復することに成功しました。しかし、忠昌がまだ若年であったこともあり、島津氏の勢力には陰りが見え、領内では戦乱が続きました。

文明17年（1485年）、伊作家の島津久逸が日向の伊東祐国や北原氏と共謀し、島津宗家に反旗を翻しました。祐国らは、日向飫肥の新納忠続を攻めたため、忠昌は敏久に先鋒を命じ、自らも出陣しました。この戦いで敏久は、見事祐国を討ち取り、その功績により忠昌から中郷300町を与えられました。

敏久は、父の代からの苦難を乗り越え、北郷氏の勢力回復に大きく貢献しました。また、島津氏との戦いにおいても、その武勇を発揮し、数々の功績を挙げました。その生涯は、戦国時代の激しい動乱を生き抜いた武将の姿を今に伝えます。

参考文献

『都城市史』
『高城町史』
瀬戸山計佐儀『都城島津家歴代史　全』三州文化社、1992年
『都城盆地 史跡ガイドブック ①旧都城市編』南九州文化研究会、2014年

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