新聞縮刷版

新聞縮刷版について

新聞縮刷版（しんぶんしゅくさつばん）とは、新聞の紙面を縮小した形式で全ページを収めた書籍やマイクロフィルム、光ディスクメディアのことを指します。日本では主に全国的な新聞社から発行され、図書館などでの保存や閲覧を目的としています。特に『産経新聞』を除く多くの主要全国紙が定期的に刊行しており、多くの文献においてもその重要性が認識されています。

概要

新聞縮刷版は通常、毎月1回発行されます。発行される形態は書籍として、A4サイズに縮小して印刷された紙面を1か月分まとめて掲載するものです。発行される新聞社やその日の紙面内容によってページ数は異なりますが、特に記事が豊富な場合はページ数が増加し、反対に少ない場合は広告が多くなってしまうこともあります。例えば、朝刊は32ページ、夕刊は16ページ構成で、一ヶ月あたりの総ページ数はおおよそ1400ページに達し、辞典1冊分に相当します。

全国紙の新聞縮刷版は東京本社発行の最終版を基にしており、地方版やテレビ番組欄は東京都心23区版が通常収録されます。興味深いことに、中日新聞系列の地方紙では東京新聞や北陸中日新聞は縮刷版を取り扱っていませんが、名古屋市内の中日新聞がその役割を果たしています。

このような縮刷版は近年、スペースの有効利用や記事検索の容易さからCD-ROMやDVD-ROMといった光ディスクメディアでも提供されています。これにより、過去の新聞記事を高画質で再現され、必要に応じて印刷も可能な形で広がっています。

誕生日新聞サービス

多くの新聞社では、特定の日にちの新聞の縮刷版を依頼できるサービスを提供しています。例えば、誕生日新聞では、その日の朝刊の一面とテレビ面がセットで提供されることが多いですが、新聞が休刊日だった場合は、夕刊が代わりに提供されます。しかし、特定の日が全面広告であったり、特別な事情があった場合、新聞社によっては代わりの記事が提供されることもあります。一部新聞社では、「お誕生日新聞プレゼントキャンペーン」などの特別サービスも行っています。

歴史

私たちが知る最初の新聞縮刷版は、1919年に『東京朝日新聞』によって発行されたもので、当初は限られた部数で社内のバックナンバー管理のために発案されました。その後、販売を開始し、順調に部数が伸びることに成功しました。1921年には夕刊の創刊に伴い発行形態に変化が見られましたが、結局は当初の形に戻されます。戦後の1947年には再発行が行われ、その後も1994年からはCD-ROM版が登場するなど、技術の進化とともに新聞縮刷版の形態は変わり続けています。

記事の訂正・削除

縮刷版における方針として、基本的には原版の内容をそのまま収録するため、誤植や誤報があっても原版を改変することはありません。特例として、朝日新聞は1990年以前に訂正文を反映した形で発行していましたが、その後は原則通りの形に切り替えています。これにより、新聞の誤報や訂正がどのように記録されるか、そしてそれに対する社会の反応についても注目が集まっています。

日本の新聞社による縮刷版の発行

現在、日本で縮刷版を発行している新聞は、朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、読売新聞などの全国紙をはじめとする多くの新聞社があります。各地方紙でも発行例が見られ、過去には多くの新聞社が縮刷版を取り扱っていました。

新聞縮刷版は、過去の情報を収集し、後世に残すための重要な手段として位置づけられています。その内容は、我々の現代の社会状況や歴史的な出来事を振り返る上で不可欠なものであり、今後もその価値は高まっていくことでしょう。

もう一度検索