新見正興

新見 正興の生涯と業績

新見正興（しんみまさおき）は、幕末の重要な幕臣であり、その功績は日本の外交史において特に際立っています。彼は、外国奉行として日米修好通商条約の批准書を交換する重要な任務を担い、アメリカへ渡航したことが知られています。また、彼は柳原白蓮の祖父であり、その家系も注目されています。

幼少期と早期の経歴

新見正興は、1829年に西御丸小納戸役・三浦義韶の子供として生まれました。その後、文政12年に大坂町奉行の新見正路の養子となりました。当時、正路の一家は早世が続く状況であり、三男の郁三郎も幼少期でした。新見は1839年から小姓として仕官し、その後、中奥小姓に昇進しました。1848年には新見家の家督を継ぎ、徳川家定の御膳給仕を任されるなど、着実に地位を高めていきます。

外国奉行としての活動

1859年には外国奉行に任命され、翌年には神奈川奉行も兼任しました。このような立場から、彼は国際的な舞台での役割を果たすことになります。1860年、新見は日米修好通商条約の批准書を交換するため、万延元年遣米使節の正使として渡米しました。この重要な任務には、副使・村垣淡路守、監察・小栗豊後守も同行していました。

渡米の旅は、日本から横浜を出発し、アメリカの首都ワシントンD.C.に至るまで、多くの困難を乗り越えるものでした。新見一行はアメリカ政府の高官との面会を果たし、成果を上げて帰国しました。この功績によって、彼は300石の加増を受け、外国奉行に専任となりました。

帰国後の活動と晩年

帰国後の1862年には側衆として伊勢守に叙され、1864年には公務を解かれて菊之間縁頰詰となります。その後、1866年には隠居し、隠居料として500俵が与えられました。隠居後は「閑水」と名乗り、明治元年には武蔵国下奥富村に帰農しましたが、病気療養のために移動し、1869年に病没に至りました。享年は48歳でした。

家族とその後

新見正興には正妻との間に3人の娘があり、長女は北海道へ嫁ぎ、次女・ゑつと三女・りょうは奥津家の養女となりました。その後、彼女たちは柳橋で芸者として生活を始め、その美貌と才能で注目を集めました。特に次女のゑつは名高い芸達者として知られ、姉妹での華やかな姿は周囲の人々を魅了しました。

三女のりょうは16歳で伊藤博文に関与し、結局柳原前光に囲われることになります。彼女の子供が後の柳原白蓮であり、重要な文化的な継承者となります。しかし、りょうは短命で21歳で亡くなり、家族の運命は様々な波乱を深く経験しました。

人物像とLegacy

新見正興は、外見が美男子として知られ、当時「陰間侍」とも呼ばれていました。彼の人物像は、外交における平和と優雅さを象徴するものであり、留学時代の士官からも親しみやすい性格として記録されています。新見の墓は、後にアメリカ大使によって松の樹木が植樹されるなど、彼の業績は今でも人々に尊敬されています。新見正興の生涯は、幕末日本の複雑な歴史の中で重要な一ページを担っており、現在においてもその影響は大きいと言えるでしょう。

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