新見町

新見町について

新見町（にいみちょう）は、岡山県阿哲郡に存在した自治体であり、1900年の改編までは阿賀郡に属していました。しかし、その歴史は古く、過去には哲多郡に属していたこともあります。新見町は現在の新見市新見・高尾・馬塚に相当し、高梁川の上流域に位置しています。

名前の由来

新見町の名前は、かつて存在した新見村および中世の新見荘に由来しています。また、応神天皇の時代に帰化した漢人の部民である新漢部を略して「新部（イマキノアヤベ）」と記されたものが「ニヒベ」と読まれ、これが「新見」となったという説もあります。

歴史的背景

鎌倉時代中期から新見地区では市場が形成され、活発な交易が行われていました。高瀬舟による物資の交流が盛んで、この地域は発展を遂げました。昭和初期には鉄道が開通し、交通の要所となりました。明治維新後は、新見村と高尾村、馬塚村に分かれていましたが、新見村は城下町として16の町に分かれて存在していました。

明治に入ってから約30年間は発展が止まっていましたが、1900年に新見勝山線の開通を契機に、道沿いに新たな借家が増加し、明治町が形成されました。また、この時期に設立された明治座という劇場も町の発展を後押ししました。さらには、宮地町が北に拡大し、新たな街が作られました。

1928年には新見町の反対側に新見駅が設置され、町は駅から新見根雨線に直結するルートを整備しました。これによって新たに昭和町が形成され、市街地も拡大しました。しかし、昭和の初期には周辺の新市街地が造成される一方で、飲料水の不足に苦しむ事態が進行し、1929年には上水道の工事が実施されました。

自然災害と復興

新見町は1934年に台風、1938年には火災に見舞われ、これらの災害は地域に大きな影響を与えました。しかし、これらの困難を経て町は復興し、その後も発展を続けました。

沿革

新見町は、明治時代を通じて幾度となく行政区画の変更が行われてきました。明治4年には新見藩が藩廃止の後、各県に編入され、1878年に阿賀郡が設置されると、新見村に郡役所が設置されました。1889年には新見村が町村制に基づいて新見町となり、1896年には町役場が新築されます。1964年には周辺町村と合併して新見市が誕生し、新見町は廃止されました。

教育と交通

新見町には新見町立思誠小学校や新見中学校があり、現在ではそれぞれ新見市立思誠小学校と新見市立新見第一中学校として知られています。また、交通網として伯備線や姫新線の新見駅が付近にあり、国道180号も通っています。

出身者

新見町は、多くの著名な人物を輩出しています。例えば、衆議院議員であった内藤正剛や政治家の小谷節夫、生理学者の加藤元一がその一例です。

新見町の豊かな歴史と文化は、地域に多くの足跡を残しており、今もなおその影響が感じられます。

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