既卒
既卒（きそつ）について
定義
既卒とは大学、大学院、専修学校、短期大学といった高等教育機関を卒業したものの、正規職員としての職歴を持たない求職者を指す言葉です。この対象者は一般的に「既卒生」とも呼ばれます。正規職員とは、法的に雇用契約を締結している正社員を意味し、雇用の安定性が高いことが特徴です。
既卒の立場
日本の雇用市場は、第二次世界大戦以降、新卒採用が中心に展開されてきました。若者を対象とした新卒採用が多く採用される一方、経験者である中堅層は中途採用での参入が一般的です。このため、既卒者にとっては就職のチャンスが限られがちです。
特に、バブル崩壊以降に生まれた1970年代から1980年代前半の世代に属する既卒者は、フリーターやニートとしての状況が増加しています。これは、経済の停滞が長引く中、安定した職を得ることが難しいためです。
就職活動の現状
最近では、就職支援が行われているものの、根本的な問題は依然として解決されていないと言えます。例えば、リクナビなどのポータルサイトでは、既卒者として登録することが可能になっています。また、厚生労働省も既卒者の就職を支援するための施策を進めていますが、新卒一括採用が依然として根強く残っているため、既卒者にとっての就職環境は不十分です。
2020年に実施されたマイナビの調査によると、新卒学生の内定率は77.6%に対し、既卒者では34.4%と大きな差が見られました。この数値は、既卒者がいかに厳しい競争に置かれているかを示しています。
さらに、内定が出やすい時期と出にくい時期があります。具体的には、8月から10月、そして3月が内定を得やすいタイミングであることがデータからも明らかとなっています。それ以外の期間は、内定が得にくい状況が続くこともあります。
今後の展望
既卒者の就職状況は依然として厳しいものの、徐々にではありますが、就職支援制度が充実してきています。既卒者に対する理解が広まり、求職市場における多様性が進むことで、今後は彼らの就職機会が拡大されることが期待されます。教育・支援の面での取り組みが進むことで、就職活の成功率が向上することを願いたいところです。
参考文献
関連項目
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