日信工業

日信工業株式会社：世界を舞台に活躍したブレーキシステムメーカー

日信工業株式会社は、長野県東御市に本社を置く、かつて存在した自動車部品メーカーです。四輪車、二輪車向けのブレーキ装置やアルミ製品の開発、製造、販売を主な事業として展開していました。特に二輪車用ブレーキ装置においては世界トップシェアを誇り、その高い技術力と品質で世界的に高い評価を得ていました。

ホンダ系列とグローバル展開

日信工業は本田技研工業と深い関係を持つ企業でしたが、その顧客は国内外の様々な自動車メーカーに及びました。ホンダ系列メーカーへの供給はもちろんのこと、グローバルな視点で事業を展開し、世界中の自動車産業に貢献していました。

歴史と成長

1953年に東京都中央区で設立された日信工業は、その後長野県上田市、そして東御市へと本社を移転させながら、着実に事業を拡大しました。1963年には四輪車用ドラムブレーキの生産を開始、1968年にはイギリスのLUCAS INDUSTRIES（現ZF TRW）社と技術提携することで、技術開発にさらに拍車をかけました。東京証券取引所への上場を果たし、メキシコへの進出など、グローバル化も積極的に推進しました。

合弁事業と経営統合

2015年には、オートリブグループと合弁会社を設立し、四輪車用ブレーキシステム事業において協業関係を構築しました。しかし、2019年10月、本田技研工業による株式公開買付けが発表され、日信工業は同社の完全子会社となりました。そして2021年1月1日、日立オートモティブシステムズ（現日立Astemo）との経営統合により、日信工業は解散しました。東御工場と直江津工場はそれぞれ日立Astemo東御工場、日立Astemo上越工場として新たな道を歩み始めました。

ブランドの継承

日信工業は解散したものの、その技術とブランドは日立Astemoによって受け継がれています。現在も「ニッシン（NISSIN）」のブランド名とロゴは使用され続け、日信工業が築き上げてきた高い信頼と技術は、これからも自動車産業に貢献していくことでしょう。

主要な事業拠点

本社: 長野県東御市
生産拠点:
東部工場（長野県東御市、現・日立Astemo東御工場）
直江津工場（新潟県上越市、現・日立Astemo上越工場）
開発拠点:
栃木開発センター（栃木県那須烏山市）
長野開発センター（長野県東御市）

主要な関連会社

Autoliv-Nissin Brake Systems(株)
株式会社NISSIN APS
アケハイ工業株式会社
日本ブレーキ工業株式会社
吉田工業株式会社
* 株式会社イシイコーポレーション

日信工業の歴史は、日本の自動車産業の歴史の一部であり、その技術とブランドは今後も世界中で活躍し続けるでしょう。

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