日医工

日医工株式会社について

日医工株式会社は、富山県富山市に本社を構える日本の製薬会社です。後発医薬品（ジェネリック医薬品）の国内最大手として知られていますが、近年では先発医薬品の製造販売にも参入しています。

概要

ジェネリック医薬品を主力とする日医工は、そのシェアにおいて国内2位に位置しています。かつては売上高で国内トップに立っていましたが、沢井[[製薬]]の買収戦略により、現在は2位となっています。日医工は、帝國製薬から譲り受けた子会社テイコクメディックスを合併し、日医工ファーマを設立しましたが、後にこの会社を吸収合併しています。また、一般用[[医薬品]]（OTC医薬品）も扱っていましたが、2007年に新新薬品工業へ事業譲渡しました。

近年、日医工は開発から時間が経過した先発医薬品の製造販売にも力を入れています。2017年から2019年にかけては、「シェアUP」「供給能力」「開拓力」の3つの基本戦略を掲げ、グローバル市場への展開も視野に入れていました。エーザイとの資本業務提携や生産体制の強化、新製品の発売などを積極的に行っていました。

しかし、2020年に後発医薬品の製造における不備が発覚し、業務停止命令を受けるなど経営が急速に悪化しました。その後、事業再生ADRの手続きに入り、再建を目指しています。2023年には、ジェイ・ウィル・パートナーズとメディパルホールディングスによる支援を受け、経営体制を刷新しました。

沿革

日医工の歴史は、1965年に日本医薬品工業株式会社として設立されたことに始まります。当初は富山市に本社と工場を構えていましたが、販売戦略上の理由から一時的に京都市に本社を移転しました。その後、富山市に本社を戻し、生産体制の拡充を進めました。

1970年代には、滑川市に工場を建設し、生産能力を強化しました。1980年には、名古屋証券取引所に上場し、後発医薬品メーカーとして初の快挙を成し遂げました。その後、大阪証券取引所にも上場し、事業規模を拡大しました。

1990年代には、完全週休2日制を導入するなど、従業員の労働環境にも配慮しました。2000年代に入ると、他社との合併や事業譲渡、子会社化などを経て、現在の形になりました。2012年には、東京本社を設立し、2本社制に移行しました。

2010年代には、オーソライズド・ジェネリック医薬品の発売やパッケージ調剤の導入など、新たな取り組みにも挑戦しました。また、エーザイとの提携を通じて、さらなる事業拡大を目指しました。

2020年代に入ると、後発医薬品の製造不備問題が発覚し、経営危機に陥りました。その後、事業再生ADRによる再建を目指し、2023年に上場廃止となり、新たな体制で再出発を図ることとなりました。

不祥事と再建

2020年、日医工は製造過程における不備が相次いで発覚し、多数の製品を自主回収することになりました。この問題は、後発医薬品業界全体への信頼を大きく揺るがす事態となりました。厚生労働省や富山県による立ち入り調査の結果、製造工程における法令違反が明らかになり、業務停止命令を受けました。

この不祥事を受け、日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会は日医工を厳しく非難し、第三者調査の実施と再発防止策の策定を求めました。日医工は、信頼回復に向けて企業努力を継続することを表明しましたが、経営状況は急速に悪化しました。

2022年5月、日医工は事業再生ADRを申請し、再建に向けて動き出しました。金融機関や投資ファンドとの連携を通じて、債務の圧縮や資金調達を進め、経営の立て直しを図っています。2023年には、ジェイ・エス・ディーの完全子会社となり、新たな体制で再出発することになりました。

その他

日医工は、女子ゴルフ大会の主催やテレビ番組のスポンサーなど、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいました。また、社歌の作曲を葉加瀬太郎が手がけるなど、ユニークな一面も持っています。

日医工は、過去の不祥事を教訓に、品質管理体制の強化と信頼回復に向けて、今後も様々な取り組みを進めていくことでしょう。

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