日向国分寺跡

日向国分寺跡

日向国分寺跡は、宮崎県西都市に所在する、古代から近世にかけての寺院跡です。奈良時代に聖武天皇の詔により日本各地に建立された国分寺のうち、日向国国分寺の寺院跡にあたります。この場所は、西都原古墳群が広がる西都原台地の南端、一段低い場所に位置しています。国分寺や国分尼寺は国府の近くに置かれるのが一般的ですが、日向国分寺の場合は、国府跡から少し離れた場所に建てられています。

歴史

古代

日向国分寺の創建時期は、正確な記録が残っておらず不明です。しかし、『続日本紀』の記述から、国分寺建立の詔が発せられた741年から、日向国を含む26か国が記載された756年までの間に建立されたと考えられています。

また、『弘仁式』には、日向国分寺の運営費用として、主税1万束が充てられていたことが記されています。

近世

天明8年（1788年）には、全国を巡礼していた遊行僧の木喰が日向国分寺を訪れました。当時の国分寺は衰退していたものの、木喰は地元住民の要請を受け住職となりました。寛政3年（1791年）に火災で堂宇が焼失した後、木喰は寺の再建に尽力し、伽藍の建立や五智[[如来]]像を制作しました。寛政9年（1797年）に木喰は寺を離れたとされています。

明治以降

明治4年（1871年）、廃仏毀釈によって日向国分寺は廃寺となり、取り壊されました。しかし、五智[[如来]]像は地元住民の手によって保護されました。その後、寺は再建されましたが、戦後の台風で倒壊。再度再建されたものの、五智[[如来]]像を安置する施設が建設された際に再び取り壊されました。

発掘調査

日向国分寺跡の発掘調査は、1948年に日向考古調査団によって初めて行われました。その後、1961年と1989年には宮崎県教育委員会による調査も実施されています。これらの調査では、僧房跡と推定される遺構が確認されましたが、主要な伽藍配置については不明な点が残されていました。1995年からは西都市教育委員会による調査が行われ、金堂と推定される掘込地業跡、中門跡、回廊跡、そしてそれらを囲む溝が検出され、伽藍配置の解明が進められています。

日向国分尼寺跡

日向国分尼寺跡は、国分寺跡から北へ約600メートル、現在の宮崎県立妻高等学校の敷地内（諏訪遺跡）に位置すると推定されています。この場所からは、国府や国分寺跡から出土した瓦と同時期に製作されたとみられる瓦が多数出土しています。調査の結果、溝が確認されていますが、伽藍の全容はまだ明らかになっていません。

文化財

国の史跡

• - 日向国分寺跡：平成23年9月21日指定（昭和9年4月17日に県指定史跡）

宮崎県指定有形文化財

• - 木造五智[[如来]]坐像 5躰（美術工芸品）：平成8年11月1日指定

現地情報

所在地

• - 国分寺跡：宮崎県西都市三宅
• - 国分尼寺跡：宮崎県西都市右松

周辺

• - 西都原古墳群
• - 日向国府跡

脚注

参考文献

• - 史跡説明板（西都市教育委員会設置）
• - 『日本歴史地名体系 宮崎県の地名』（平凡社）西都市 日向国分寺跡項

外部リンク

• - 日向国分寺跡、木造五智[[如来]]坐像5躰 - 西都市の文化財

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