西都原古墳群

西都原古墳群の概要

西都原古墳群は、宮崎県西都市の三宅、童子丸、右松にわたる地域に存在する古墳群であり、国の特別史跡に指定されています。高さ約70メートルの洪積層の台地に広がるこの古墳群は、日本最大級の規模を誇ります。この地域には、4世紀初頭から7世紀前半にかけて築造されたと見られる古墳が存在し、現存する西都原古墳群には319基の古墳が確認されています。

古墳はその形状により、大きく前方後円墳、方墳、円墳に分類されており、その数はそれぞれ31基、2基、286基に上ります。また、通常の古墳とは異なる埋葬施設として、地下式の横穴墓も12基確認されており、地域の歴史的背景を示す重要な遺跡と言えるでしょう。

学術的調査の歴史

西都原古墳群は、1912年から1917年にかけて行われた日本初の本格的な学術調査により、その存在が注目を集めました。特に、初回の調査は1912年12月下旬から翌年の1月にかけて実施されました。以降もいくつかの調査が行われ、古墳の正確な築造年代や埋葬方法、出土品についての詳細が明らかにされました。

この調査を機に、出土品を収蔵・展示するための宮崎県立史跡研究所が発足しました。この研究所は後に西都市立博物館へと移管され、現在は県立の西都原考古博物館として出土品の保管と展示が行われています。

古墳群の構成

西都原古墳群は、地理的には西都原台地上と中間台地上に分けることができます。これらの地区には、更に11の集団または10～13の支群が形成されています。各集団は、前方後円墳や方墳、円墳が混在しており、そのそれぞれが独自の歴史を持っています。

主な古墳の紹介

中でも、男狭穂塚（おさほづか）は日本最大の帆立貝形古墳とされ、女狭穂塚（めさほづか）は九州最大の前方後円墳として知られています。これらの古墳は宮内庁陵墓参考地に位置し、特別史跡としての範囲には含まれていません。

姫塚（202号墳）は、その美しい形状から特に名高く、墳長50.2メートルの前方後円墳で、周囲には周濠が巡らされています。姫塚の周辺から出土した品々は、古墳時代後期にあたる6世紀初頭のものと考えられています。

鬼の窟古墳（206号墳）は、独特な横穴式石室を持つ古墳で、周りを土塁が取り囲んでいる点が特徴的です。この古墳もまた、調査によってさまざまな歴史的知見が得られています。

文化財としての価値

西都原古墳群はその歴史的、文化的価値から特別史跡に指定され、1934年に国の史跡に、1952年に国の特別史跡に指定されました。また、支群に存在する出土品の中には重要文化財に指定されているものもあります。

現在、この古墳群は多くの観光客が訪れるスポットとなり、古代日本の文化や歴史に思いを馳せる貴重な場として多くの人々に親しまれています。

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