日域無雙一覺流

一覚流の概要

一覚流（いっかくりゅう）は、捕手術を表芸とする総合武術の流派で、正式には日域無双一覺流と呼ばれています。この流派は、佐藤一覚によって天正19年7月7日（西暦1591年8月25日）に設立されたもので、九州肥後にその起源があります。流祖である佐藤一覚は、18歳から28歳の間に他流の捕手術を学び、その後、鞍馬山の嶽において百日間の修行を重ねた結果、自身の流派を完成させました。彼は九寸五分の白刃や二尺五寸の打物の留手といった技術を定め、捕手の秘法を伝授しました。

歴史的背景

流派の歴史は長いものであり、慶長5年（1600年）8月24日には佐藤覚助がこの流派の教えを相伝しました。さらに一部の伝承では、一日城無双一覚流という名称でも知られています。また、兄弟流派として佐藤一学を流祖とする日域無双一學流や、一覺流拳法といった系統も存在します。一覚流は中国四国、近畿、九州など西日本全域に広まり、特に広島の系統では捕縄術を表芸とする黒川流小具足廻（黒川派）が生まれました。

松江藩においては、松平直政の家臣である川瀬兵蔵が流派を伝え、庭瀬藩では若林和左衛門がその技を広めていました。

授業内容

一覚流の教義は捕手と縄を中心に構成されており、以下のような体系に分かれています:

• - 表: 5つの基本技
• - 人質捕: 4つの技法
• - 腰之廻: 7つの技
• - 中極意: 5つの極意
• - 縄: 5つの重要事項

表五ヶ条

• - 行逢
• - 行連
• - 逼抵
• - 後當
• - 寄詰

人質捕四ヶ条

• - 十文字
• - 切先詰
• - 朊搦
• - 隠刀

中極意五ヶ条

• - 微塵不延
• - 膽落
• - 摩麟
• - 瀧落
• - 瀧車

腰之廻七ヶ条

• - 豊昌剣
• - 無明剣
• - 捨刀
• - 八方突
• - たへし突
• - 脇刀
• - 霞一天

縄五筋之大事

• - 真明縄之事
• - 助縄之事
• - 切縄之事
• - 諍縄之事

系譜

日域無双一覚流捕手術は比較的古い流派として、多くの系統が存在しています。以下に一部の系譜をまとめました（カッコ内は相伝の日付です）:

• - 佐藤一覺（九州住、天正十九年七月七日創始）
• - 佐藤覺之助（備州住、慶長五年八月二十四日）
• - 村上三郎左衛門（作州住、慶長十五年三月二十四日）
• - 圓尾伯有（武州住、寛永十六年十二月二十四日）
• - 澁谷安左衛門
• - 谷口與三左衛門（作州）
• - 大野運蔵
• - 大野恵蔵
• - 坂手太郎兵衛
• - 毛利覚兵衛

このように、一覚流は日本の武道の中でも重要な位置を占めており、様々な系統と多彩な技法を持つ流派として、今なお多くの人々に受け継がれています。

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