日指ダム

日指ダム：宇佐平野を潤す生命線と憩いの空間

大分県宇佐市安心院町と杵築市山香町に位置する日指ダムは、駅館川水系山蔵川に建設された重力式アーチダムです。1964年の着工から1979年の完成まで、人々の生活を支えるための壮大なプロジェクトとして進められました。その目的は、宇佐平野における安定的な農業用水確保です。古くから続くこの地域独特の用水路システムと連携し、日指ダムからの水は、今もなお、地域農業を支える重要な役割を果たしています。

日指ダムは、単なる治水・利水施設にとどまりません。ダム湖周辺には、約120ヘクタールという広大な面積を誇る大分農業文化公園（パークアルカディア）が整備されています。2001年の開園以来、農業体験やレクリエーションを楽しめる場所として、多くの人々に親しまれています。ダム湖そのものもブラックバス釣りのスポットとして人気があり、自然と人々が調和した空間となっています。

公園の開園を機に、大分自動車道や大分空港道路と接続する宇佐別府道路に大分農業文化公園インターチェンジが新設されたことで、日指ダムへのアクセスは格段に向上しました。周辺地域への観光客誘致にも貢献し、地域経済の活性化にも繋がっています。

日指ダムは、国営駅館川総合開発事業という、昭和期における大規模な公共事業の一環として建設されました。この事業は、宇佐平野の農業基盤整備を目的としたもので、日指ダムはその重要な構成要素の一つです。ダムの建設は、地域の農業生産性向上に大きく貢献し、人々の生活水準の向上に繋がるものでした。

現在では、日指ダムは単なるダムとしてだけでなく、地域住民の生活、農業、観光を支える多様な機能を併せ持つ、重要なインフラとして認識されています。ダム湖の景観は美しく、周辺には豊かな自然が広がり、人々は自然と触れ合いながら、農業やレクリエーションを楽しむことができます。日指ダムは、治水・利水機能と、地域活性化という二つの役割を担い、未来へと続く地域社会の礎となっています。

アクセス

宇佐別府道路大分農業文化公園インターチェンジから至近距離に位置しており、車でのアクセスが非常に便利です。公共交通機関でのアクセスも可能ですが、自家用車でのアクセスが推奨されます。

関連情報

ダム便覧（財団法人日本ダム協会）
国営駅館川総合開発事業（大分県）
* 大分農業文化公園（パークアルカディア）

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