日本とガンビアの関係

日本とガンビアの関係

日本とガンビアの関係は、1965年2月18日のガンビアのイギリスからの独立と同時に始まりました。日本はガンビアの独立を直ちに承認し、両国間の外交関係が樹立されました。1967年以降、駐セネガル日本国大使館がガンビアを兼轄しています。一方で、ガンビアは日本に大使館や領事館を設置していません。ただし、ガンビアは在名古屋名誉総領事を、日本は在バンジュール名誉総領事を任命しており、限定的ながらも外交的な繋がりを維持しています。

歴史

1982年、ガンビアは隣国セネガルと国家連合「セネガンビア」を形成しましたが、1989年にこの連合は解消されました。これにより、一時的にセネガルに統合されていた外交関係も、再び個別のものとして復活しました。

現況

地理的に遠く離れ、歴史的な接点も少ない両国ですが、日本はアフリカ開発会議（TICAD）を通じてガンビアとの関係を強化しています。2013年6月には、ヤヒヤ・ジャメ大統領がTICAD出席のため来日し、当時の安倍晋三首相との間で首脳会談が行われました。この会談では、日本からの様々な支援に対する感謝の意がガンビア側から伝えられるとともに、日本企業のガンビア進出や更なる支援についても話し合われました。

過去には、初代ガンビア大統領のダウダ・ジャワラが、1970年から1990年の間に6度も日本を訪れており、平成の即位の礼にも参列しています。

ガンビアにとって、主要な援助国はイギリス、アメリカ、スペイン、ドイツ、スウェーデンなどですが、日本も開発援助を行っています。1976年の「漁船増強計画」に係る無償資金協力を皮切りに、日本はガンビアに対する支援を継続してきました。1994年のクーデター以降は、人道的な援助を除き新規の援助を見合わせていましたが、1997年に民政移管が実現すると援助を再開し、2005年には技術協力協定を締結しました。現在では、水産、農業、防災分野での技術協力、機材供与、施設建設、基礎生活分野の改善、食糧援助、鉱物資源開発などを中心に支援が行われています。2017年までの累計援助額は200億円を超えます。また、2015年のエボラ出血熱流行時には、近隣国への感染拡大を防ぐため、ガンビアへの予防対策支援も実施しました。

貿易関係では、2019年のガンビアの対日輸出額は2885万円に対し、輸入額は3億3762万円と大きな貿易赤字となっています。主な輸出品は飼料（米やトウモロコシなど）や美術品で、輸入品は機械類が中心です。ガンビアは最貧国であるため、観光客の往来はほとんどなく、在留邦人も2018年時点でわずか5人です。

事件

2023年5月には、神戸市内の神社でガンビア国籍の男が、自身の宗教的信念に基づき賽銭箱を破壊し、地蔵菩薩の首を切断する事件が発生しました。この事件は、宗教的信念に基づく行為が社会秩序を乱す可能性を示す事例として注目を集めました。

外交使節

駐ガンビア日本大使: 在セネガル日本国大使館が兼轄
駐日ガンビア大使: なし

脚注

外務省　ガンビア共和国（Republic of The Gambia）基礎データを参照。

関連項目

日本の国際関係
ガンビア

外部リンク

* 在ガンビア日本国大使館（英語）

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