日本とセネガルの関係

日本とセネガルは、1960年のセネガル独立以来、良好な関係を維持しています。両国は、政治、経済、文化、スポーツなど、幅広い分野で交流を深めてきました。

歴史

1960年4月4日、セネガルはマリ連邦としてフランスから独立しましたが、同年8月20日にはマリ連邦から分離し、セネガル共和国として独立しました。日本は独立直後の1960年10月4日にセネガルを国家承認し、外交関係を樹立しました。1962年1月には在セネガル日本国大使館が開設され、周辺国も兼轄しています。一方、セネガルは1975年9月に東京に駐日セネガル大使館を開設しました。

セネガルは独立以来、クーデターや政情不安を経験していない安定した国家であり、アフリカの安定に貢献してきました。このような背景から、日本とセネガルは独立以来、友好的な関係を維持しています。

しかし、1982年12月26日には、ギニアビサウとの国境地帯にあるカザマンス地方で、分離独立を目指すカザマンス民主勢力運動が反政府闘争を開始しました。21世紀に入ってからは和平合意が成立しましたが、小規模な戦闘が散発的に発生しており、日本はこの地域への渡航延期勧告を継続しています。

現況

友好国として、両国間の要人往来も活発に行われています。セネガルのアブドゥライ・ワッド大統領は、2002年から2008年の間に5度も日本を訪問し、小泉純一郎首相との首脳会談や洞爺湖サミットへの出席などを果たしました。また、後任のマッキー・サル大統領も、アフリカ開発会議やG20サミットへの招待国として4度日本を訪問し、安倍晋三首相との間で「日・セネガル共同声明」を発表し、安保理改革での協力で合意しました。2019年にも両首脳は会談を行い、北朝鮮情勢やユニバーサル・ヘルス・カバレッジ（UHC）について意見を交換しました。

経済面では、日本は2018年までに累計2000億円以上の開発援助・経済支援を実施しており、フランスやアメリカ合衆国と並ぶ主要なセネガル援助国となっています。支援内容は、食糧援助、職業訓練計画、教育施設の建設や整備、水道網・送電網の整備、医療・衛生面での支援、ダカール港の改修など、多岐にわたります。貿易面では、セネガルは赤字となっており、日本への輸出品は魚介類、輸入品は合成繊維製品や自動車などが中心です。

アフリカの中でも比較的安定した国家であるセネガルには、2019年時点で19社の日本企業が進出しており、最貧国としては比較的多いと言えます。2021年には、民間企業がセネガルを拠点にアフリカでSDGs事業を展開するなど、経済的な結びつきはますます強まっています。

文化交流

文化交流も活発に行われています。在セネガル日本国大使館は、1979年から35年以上にわたり俳句コンクールを実施し、日本映画上映などのイベントを通して日本文化を発信しています。

スポーツ面では、両国ともにサッカーが人気であり、2018 FIFAワールドカップでは、日本対セネガル戦が開催されました。また、柔道も人気があり、日本大使杯が定期的に開催され、柔道着や機材の無償供与が日本側から行われています。近年では、セネガルから日本へのバスケットボール留学も増えています。

外交使節

駐セネガル日本大使

歴代の駐セネガル日本大使については、外務省のウェブサイトをご確認ください。

駐日セネガル大使

アッサン・バッシルー・ジュフ（1975～1979年）
メドゥーン・フォール（1979～1981年）
ケバ・ビラン・シセ（1981～1991年）
アラジ・アマドゥ・ティアム（1992～2001年、信任状捧呈は2月15日）
（臨時代理大使）イブラヒマ・ディアロ（2001年）
ガブリエル・アレクサンドル・サール（2001～2010年、信任状捧呈は12月26日）
ブーナ・セム・ジュフ（2010～2014年、信任状捧呈は11月26日）
（臨時代理大使）ンゴール・ンジャイ（2014年）
シェール・ニャング（2014～2018年、信任状捧呈は12月22日）
ゴルギ・シス（2018～2023年、信任状捧呈は9月19日）
（臨時代理大使）マンソール・シス（2023年）
ジャン・アントワーヌ・デュフ（2023年～、信任状捧呈は10月5日）

脚注

外務省のウェブサイトに詳細な情報が掲載されています。

参考文献

セネガル共和国（Republic of Senegal）基礎データ　外務省
小川了編『セネガルとカーボベルデを知るため60章 (エリア・スタディーズ78)』2010/3/24

外部リンク

外務省のウェブサイト
在セネガル日本国大使館のウェブサイト
* 駐日セネガル大使館のウェブサイト

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