日本とセントクリストファー・ネイビスの関係

日本とセントクリストファー・ネイビスの関係

日本とセントクリストファー・ネイビスの関係について概説します。両国は、地理的には遠く離れていますが、友好関係を築いています。セントクリストファー・ネイビスは、カリブ海に位置する島国であり、日本とは歴史的な接点は少ないものの、民主主義、自由主義、法の支配、人権尊重といった共通の価値観を共有しています。また、カリブ共同体を通じて、政治的・経済的な交流も行われています。

両国の比較

歴史

1983年9月19日、セントクリストファー・ネイビスはイギリスから独立しました。日本は、独立と同時に同国を承認し、1985年1月14日に外交関係を開設しました。2011年の東日本大震災発生時には、セントクリストファー・ネイビスの首相が、日本への連帯と可能な限りの支援を表明しました。

外交関係

二国間関係

日本は、セントクリストファー・ネイビスに大使館を設置しておらず、在トリニダード・トバゴ日本大使館が兼轄しています。一方、セントクリストファー・ネイビスも日本に大使館を設置しておらず、在中華民国セントクリストファー・ネイビス大使館が兼轄しています。なお、セントクリストファー・ネイビスは台湾を国家承認しており、正式な国交も存在します。

要人往来・会談

2014年7月、安倍晋三首相（当時）がアンティグア・バーブーダを訪問した際、カリブ共同体に属する9か国の首脳と懇談を行いました。その際、セントクリストファー・ネイビスの首相とも懇談し、同国の「小島嶼国特有の脆弱性」を克服するための支援継続が確認されました。

2014年11月には、セントクリストファー・ネイビスの外相が訪日し、当時の岸田文雄外務大臣と会談しました。会談では、防災や再生可能エネルギーについて議論が行われました。また、2018年には、セントクリストファー・ネイビスの外相が再び訪日し、当時の河野太郎外務大臣と会談しました。この会談では、日本がセントクリストファー・ネイビスに対して、水産・防災面での支援を継続することや、ビザ発給要件の緩和などが伝えられ、両国間の友好関係が強化されました。

日本からの要人訪問としては、2018年10月に、衆議院議員が大阪万博誘致に向けた支援を要請するために訪問しています。

経済関係

2020年のセントクリストファー・ネイビスの対日貿易は、輸出額が28.2万円と非常に少なく、輸入額は7.31億円となっており、日本側の大幅な黒字です。これは、セントクリストファー・ネイビスがミニ国家であることや、両国の経済的な結びつきが強くないことが要因として考えられます。主要な輸出品目は金属製品であり、輸入品目は自動車です。

日本からセントクリストファー・ネイビスへの経済支援は、2019年までに無償資金協力と技術協力を合わせて40億円弱ほど実施されています。特に水産分野での支援が多く、以下のようなプロジェクトが実施されています。

零細漁業振興計画（2005年、6.17億円）：水揚げ用桟橋、ボートヤード、スリップウェイ、地域漁業センター棟などの施設整備
チャールズタウン水産センター建設計画（2012年、9.32億円）：ネイビス島における近代的な水産施設の建設
水産関連機材整備計画（2015年、1.84億円）：過去に整備された水産関連機材の再整備と、資源管理型漁業導入のための機材整備
セントクリストファー・ネービスの水産業発展のための支援（2019年、2億円）：水産関連機材の供与による水産業の発展・安定化

また、防災分野においても、2015年と2016年にそれぞれ1億円と2億円相当の防災機材が供与されています。

脚注

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出典

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関連文献

国本伊代『カリブ海世界を知るための70章 (エリア・スタディーズ157)』明石書店、2017年。ISBN 9784750345345。

関連項目

日本の国際関係
セントクリストファー・ネイビスの国際関係
セントクリストファー・ネイビス
カリブ共同体

外部リンク

在セントクリストファー・ネイビス日本国大使館、同 （英語）
在日セントクリストファー・ネイビス大使館 （英語）
セントクリストファー・ネービス（Saint Christopher and Nevis）基礎データ - 外務省

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