日本とトンガの関係

日本とトンガの関係

日本とトンガの外交関係は、1970年7月に樹立されて以来、良好な関係が続いています。日本はトンガに対して、技術協力や政府開発援助（ODA）を通じて、経済発展を支援してきました。特に、日本のODA供与額はトンガにとって第3位であり、重要な援助国となっています。

政治・外交

日本政府は、トンガとの関係を「良好」と評価しており、皇室とトンガ王室の間には長年にわたり友好的な関係が築かれています。2009年5月には、トンガの首相が来日し、当時の天皇陛下と会見するなど、両国間の親密な関係がうかがえます。

2009年初頭には、日本はトンガに大使館を設置し、初代大使が着任しました。これは、オセアニア地域における日本の援助活動を強化する一環として行われました。

経済

貿易

トンガと日本の間では、貿易も活発に行われています。1999年の貿易統計では、トンガは日本へ主にカボチャやマグロを輸出し、日本からは機械類を輸入していました。当時、日本はトンガにとって最大の輸出市場でした。

2007年の統計では、トンガから日本への主な輸出品は、カボチャと生鮮キハダマグロでした。一方、日本からトンガへの主な輸入品は、乗用車やバス、トラックなどの自動車でした。日本はトンガにとって重要な貿易相手国の一つであり、2006年の輸出相手国としては、ニュージーランド、アメリカに次いで第3位でした。

また、トンガは2008年には、日本へのビンナガマグロ輸入先で第3位、カボチャ輸入先で第4位でした。これらの数字は、トンガの主要輸出品が日本市場で重要な位置を占めていることを示しています。

政府開発援助（ODA）

日本は、トンガに対してODAを通じて、経済・社会開発を支援しています。特に、インフラ整備や教育、保健医療などの分野で協力を行っています。

外交使節

在トンガ日本国大使館

2009年初頭、日本はトンガに大使館を設置し、初代大使が着任しました。これは、日本がオセアニア地域での外交活動を強化する動きの一環でした。

在日トンガ大使

トンガも日本に大使を派遣しており、過去には皇太子が在日トンガ大使を務めたこともありました。2020年からは、臨時代理大使を務めていた人物が、正式な大使として信任状を捧呈し、現在に至っています。

対日感情

トンガは非常に親日的な国として知られています。トンガ王室は特に日本びいきであり、国王や王族、政府要人が頻繁に日本を訪れています。先代の国王であるタウファアハウ・トゥポウ4世は、在位中に7回も日本を訪れています。また、2011年の東日本大震災の際には、トンガ政府が約900万円相当の義援金を日本政府に寄付しました。

一方で、トンガでは中国に対する感情が良くないため、日本人が中国人と間違えられて暴行を受ける危険性もあるとされています。

文化交流

トンガでは相撲やそろばんが普及しており、特にそろばんは小学校の正規の教育課程に採用されています。また、日本で活躍するトンガ人力士やラグビーユニオン選手も多く、スポーツを通じた交流も盛んです。

まとめ

日本とトンガは、政治、経済、文化など、多岐にわたる分野で良好な関係を築いています。日本はトンガにとって重要な援助国であり、トンガは日本にとって重要な貿易相手国の一つです。両国間の交流は、今後もさらに発展していくことが期待されます。

参考文献

財団法人国際協力推進協会『トンガ 第3版』
二宮書店編集部 編『データブック オブ・ザ・ワールド 2009年版』
* 吉岡政德・石森大知 編『南太平洋を知るための58章 メラネシア ポリネシア』

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