日本とベリーズの関係

日本とベリーズの関係

日本とベリーズの関係は、1981年9月21日にベリーズがイギリスから独立した際に、日本がベリーズを国家承認したことから始まりました。翌1982年11月3日には外交関係が開設され、両国間の交流がスタートしました。

歴史

日本は1984年3月27日に、駐メキシコ日本国大使館が兼轄する形でベリーズに大使館を開設しました。その後、2006年1月1日からは、ベリーズと歴史的に関わりの深いジャマイカの駐ジャマイカ日本国大使館が兼轄するようになりました。さらに、2009年1月にはベリーズ最大の都市ベリーズシティに駐ベリーズシティ日本国名誉総領事が設置され、2019年1月には首都ベルモパンに在ベリーズ日本国大使館が設立されました。

一方、ベリーズは外交関係が樹立した1984年に駐日ベリーズ名誉領事を設置し、1995年7月3日には名誉総領事に昇格しました。2001年8月には東京に駐日ベリーズ大使館が設置されましたが、2021年現在、大使は常駐しておらず、実質的には兼勤駐在官事務所となっています。2018年7月には、ダイアン・ヘイロック駐日大使（日本非常駐、台北常駐）が信任状を捧呈しました。

現況

ベリーズは、旧宗主国であったイギリスや歴史的に繋がりの深いアメリカ合衆国、領土問題を抱えるグアテマラなどの隣国との関係を重視しており、日本との外交関係は密接とは言えません。しかし、両国間の交流は存在し、要人の往来も行われています。

例えば、1990年の平成の即位の礼には当時のベリーズ総督デイム・ミラ・ミニタ・ゴードン氏が、2019年の令和の即位の礼にはサー・コルヴィル・ヤング総督が訪日しています。また、1996年にはマヌエル・エスキベル首相が訪日し、日本との関係強化を図りました。

ベリーズにとって日本はアメリカ合衆国に次ぐ主要援助国であり、2017年までに無償資金協力は9.6億円、技術協力は22.25億円に達しています。支援内容は主に防災・環境面であり、ハリケーンや洪水などの被害を受けやすいベリーズにとって、気候変動対策を含めた自然災害に対する脆弱性克服は重要な課題です。2006年に締結された技術協力協定を通じて、日本から様々な防災技術やクリーンエネルギー技術が提供されました。教育面での支援も重視されており、日本によって小学校、高校、幼稚園が建設されています。

人的な支援としては、2016年までに青年海外協力隊が延べ152人、シニア海外ボランティアが延べ11人派遣されています。また、1986年からは防災、観光、環境、情報技術など様々な分野でベリーズからの研修員を継続的に受け入れています。2015年には両国間で開発協力大綱が決定し、更なる開発支援が模索されています。

経済関係

貿易関係においては、対日輸出が6.6億円に対し、対日輸入が16.7億円とベリーズの赤字となっています。主要な輸出品はマグロなどの魚介類であり、輸入品は機械類や船舶となっています。

文化交流

文化交流としては、2014年10月に津軽三味線の公演が行われ、両国間の文化的な理解を深める取り組みが行われています。

外交使節

駐ベリーズ日本大使
駐日ベリーズ大使
（臨時代理大使）イスマエル・ガルシア（東京常駐、2001～2002年）
デビッド・カークウッド・ギブソン（本国常駐、2002～2018年）
（臨時代理大使）イスマエル・ガルシア（東京常駐、2002～2009年）
ダイアン・カーラ・ヘイロック（台北常駐、2018～2022年）
キャンディス・ピッツ（台北常駐、2022年～）

参考文献

ベリーズ（Belize）基礎データ　外務省
『知られざる国々1 ベリーズ』暁印書館（1994.10）

関連項目

日本の国際関係

外部リンク

* 在ベリーズ日本国大使館（日本語）（英語）

もう一度検索