日本と北マケドニアの関係

日本と北マケドニアの関係は、1994年の外交関係樹立以来、経済協力や文化交流を中心に友好的な関係を築いています。両国は地理的には遠く離れていますが、民主主義や自由主義といった共通の価値観を共有し、国際社会においても協力関係を維持しています。

歴史

北マケドニアは、かつてユーゴスラビア社会主義連邦共和国の一部でしたが、1991年に独立を宣言しました。日本は1993年に「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」として国家承認し、1994年に外交関係を開設しました。

冷戦終結後、北マケドニアは民主化と市場経済化を推進し、日本は経済復興やバルカン半島全体の安定のために、技術協力や経済支援を継続的に行ってきました。2014年には、両国それぞれに大使館が開設され、外交関係はさらに強化されました。

外交

両国関係

日本と北マケドニアは、地理的な距離はありますが、民主主義、資本主義、自由主義、法の支配、人権尊重といった普遍的な価値観を共有する友好国です。2020年には北マケドニアがNATOに加盟し、日本もNATOのグローバル・パートナーシップ国であることから、安全保障面でも間接的な協力関係にあります。

日本要人の北マケドニア訪問

1994年の国交樹立後、外務省の調査チーム派遣を皮切りに、多くの日本要人が北マケドニアを訪問しています。1999年には、高村正彦、河野洋平両外務大臣が相次いで訪問し、2004年には外務大臣政務官の荒井正吾が東欧諸国歴訪の一環として訪問しました。その後も、2013年に城内実、2014年に牧野京夫が外務大臣政務官として訪問、2017年には中根一幸外務副大臣が、2019年には関芳弘経済産業副大臣が訪問するなど、両国間の交流が活発化しています。

北マケドニア要人の訪日

北マケドニアからも、2003年にボリス・トライコフスキ大統領が初めて訪日し、2011年と2014年にはニコラ・グルエフスキ首相が訪日しました。また、2015年にはニコラ・ポポスキー外相が訪日し、日本の国連常任理事国入りを支持しました。2018年には、河野太郎外務大臣がドイツで北マケドニア外相と会談するなど、要人レベルでの交流が継続されています。

経済関係

地理的な制約や歴史的な経緯から、二国間貿易は活発ではありません。2020年の貿易額は、対日輸出が約17億円、対日輸入が約29億円となっています。主な輸出品は電気機器やたばこ類、輸入品は非金属鉱物関連製品です。

しかし、日本は北マケドニアをバルカン半島安定の要と捉え、1994年の国交樹立以来、経済支援と技術協力を積極的に行っています。北マケドニアにとって、日本は重要な支援国の一つです。特に、コソボ危機時には難民支援として医療機器を提供しました。

近年の主要な政府開発援助として、森林火災対策、森林管理、水資源開発、医療機材整備、文化振興などが挙げられます。日本は、森林火災対策や、森林生態系の維持、さらに水資源の安定確保のために技術協力や資金援助を行ってきました。また、医療体制の改善や、文化施設への支援も行っています。

さらに、北マケドニアはバルカン半島の中でも低い賃金水準であるため、人件費を抑えた生産拠点としての魅力があり、近年、日本企業の進出先としても注目されています。2019年には、日本貿易振興機構が初めてビジネスミッションを派遣しました。

文化交流

1990年には、将来的な国交樹立を見据えてマケドニア・日本友好協会が設立され、1996年からは国費研究留学生の受け入れを開始し、文化・学術的な交流が継続されています。

在北マケドニア日本国大使館が中心となって、アニメ・漫画イベント、邦楽コンサート、日本映画祭などが開催され、両国間の文化交流を促進しています。2019年には、外交関係樹立25周年を記念し、日本料理デモンストレーション、能公演、ワークショップ、日本映画祭など、多彩な文化イベントが実施されました。

また、1963年に発生したスコピエ地震からの復興において、日本人建築家・丹下健三が都市計画のマスタープランを作成したことは、北マケドニアでも広く知られており、両国間の友好関係を象徴する出来事の一つとなっています。

外交使節

駐北マケドニア日本大使:（現職大使名は割愛）
駐日北マケドニア大使: （現職大使名は割愛）

駐日北マケドニア大使館

住所: 東京都品川区東五反田五丁目16-17
アクセス: JR山手線五反田駅東口、もしくは都営浅草線A4

参考文献

北マケドニア共和国（Republic of North Macedonia）基礎データ　外務省
芦沢宏生(著)『現代マケドニア考』2008/10/6

外部リンク

在北マケドニア日本国大使館
駐日北マケドニア大使館

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